「緊急避妊薬」全国145か所で“試験販売”開始 診察・処方箋なしで購入可能に
日テレNEWS NNN
望まない妊娠を防ぐための「緊急避妊薬」。28日から一部の薬局で、医師の診察と処方箋なしでの販売が試験的に始まりました。 ◇ 28日、都内の薬局で「緊急避妊薬」を見せてもらいました。 薬剤師(東京・台東区 ケイ薬局) 「こちらが先発品、こちらがジェネリック医薬品です」 「緊急避妊薬」は、望まない妊娠を防ぐため、女性が性行為のあと72時間以内に飲む薬です。医師の診察を受け、処方されないと購入できないものですが、この日から一部の薬局で、試験的に“処方箋なし”での販売が始まりました。 一部から「薬の転売」や「性暴力への悪用」などを指摘する慎重な意見もあり、これまで議論が進んできませんでした。 以前、この薬を使ったことのある女性は、病院に行く手間や、心理的な“負担”を感じたといいます。 過去に緊急避妊薬を使用 「重い気持ちのまま(病院に)行かなければいけないというメンタルと、 金銭と時間の負担っていうのは、すごく大きかったです。『なんで避妊できなかったの?』みたいな感じの先生だったので、“いやだな”と思ったり。重圧感とか(あった)」 「もうちょっと身近に(薬を)もらえるところが、あったらいいなと」 ◇ こうした声もあがるなか調査研究として、ようやく薬局での試験的販売が始まったのです。 まだこの調査が決まっていなかった今年3月、都内の薬局で、記者が「緊急避妊薬」を買いに来たと想定して、「購入の流れ(※デモンストレーション)」を見せてもらいました。
【薬局で「緊急避妊薬」を購入する時は?】 ① 研修済みの薬剤師から説明 ② 回答は紙に記入(「いつ生理が来たか」など) ③ 同意書にサイン → その場で服用
まずは、研修を受けた薬剤師から、丁寧な説明を受けます。 ケイ薬局 薬剤師 宮原富士子さん 「(飲んでも)万が一、妊娠してしまうこともあるんですね」 つぎに、「いつ生理がきたか」などの質問は直接聞かれるのではなく、紙に記入します。そして、同意書にサインをし、その場で服用します。 ケイ薬局 薬剤師 宮原富士子さん 「いま、薬と水を用意してきますので、こちら書いて待っててくれますか?」 また薬剤師は、購入者が性暴力やDVの被害者だった場合に、産婦人科などを紹介できるよう、地域との連携も必要だといいます。 「緊急避妊薬」を販売 ケイ薬局 薬剤師 宮原富士子さん 「恥ずかしいことでもないし、いつでも相談ができて、使えるもの(薬)が入手しやすい環境の安全の中で、普及していくということには賛成です」 ◇ 今回の「緊急避妊薬」の“試験的販売”は、全国で145か所の薬局に限られ、販売対象は16歳以上、未成年は保護者の同伴が必要、などと条件があります。(※販売価格7000~9000円程度) 薬局での「緊急避妊薬」の本格的な一般販売を訴えてきた、団体の代表は。 NPO代表 染矢明日香さん 「ごく限られた人しか入手できないと、誰もが安心して生活ができるというところにはつながっていかない。安心して、適切に迅速に(薬を)入手できる環境の整備が大切だと思います」 (11月28日放送『news zero』より)