「逆回転クランク」って何? バイクのエンジンは何がどっちに回っている?
【番外編】あの名車も「逆回転クランク」だった!?
いまだ絶版旧車で絶大な人気を誇るホンダ「CBX400F」は、じつは逆回転クランクを採用しています。
当時はバイクブームの真っただ中で、排気量400ccクラスは4気筒エンジンが出揃ってしのぎを削っていました。 そんな中でホンダは、幅広くなりがちな並列4気筒エンジンを極力スリムに仕上げるために、クランクシャフトからトランスミッションへの一次減速をギアではなく、3-4番気筒のクランク間に配置したプライマリーチェーンで行なうという変則的なレイアウトを採用しました。 一次減速にチェーンを用いた3軸構造のため、必然的にクランクシャフトは逆回転になりました。近代のMotoGPマシンやスーパースポーツ車とは逆回転クランクを採用した理由は異なりますが、結果として優れたハンドリング特性を発揮し、当時のレースでも大活躍したのです。
伊藤康司