広島球団職員が「母の日」イベントで仕掛けていたものとは
【球界ここだけの話】 「母の日」のサプライズは幻に終わった。 5月12日の午後1時30分にマツダスタジアムで開催予定だった中日戦は降雨のため中止。広島・新井貴浩監督(47)は「やりたかったな~」と残念そうだったが、この日のために準備をしてきた球団職員も同じ気持ちだっただろう。 「実は松山さんにサプライズを用意していました。ご本人には内緒でお母さまが始球式をやる予定でした」 松山竜平外野手(38)に内緒で鹿児島から招待した母・ルリ子さん(63)が2022年の「母の日」以来2年ぶりに始球式をする予定だった。職員の筋書きでは選手紹介後にルリ子さんがマウンドへ、松山を打席へ案内し、サプライズで親子始球式を実現させるはずが、雨のため計画はパアに…。 午前10時30分の試合中止発表後、職員は練習終わりの松山に種明かしした。「母の日に関する撮影があるので来てください」と一塁ベンチ裏の控室へ案内すると、ユニホーム姿のルリ子さんが立っており「何でいるの?」とキョトン。今回の計画を知り苦笑いだったが、最後はルリ子さんに赤い花を手渡しして感謝を伝えた。 この日は秋山翔吾外野手(36)もイベントを予定していた。自身の誕生日だった4月16日のDeNA戦に続き、県内のひとり親家庭12組30人を球場に招待したが、室内練習場で練習を見学後に試合中止が決定。その後、別室で交流した秋山は室内練習場で新井監督が「わざわざ(親子が見学する2階に)足を運んでサインを書いたり、写真を撮ったりしてくださった。新井監督ならではの配慮をしてくださって本当にありがたい」と神対応があったことを明かした。 毎年5月の第2日曜日に制定されている「母の日」は20世紀初頭に米国の女性が亡くなった母を追悼する集会を開き、カーネーションをささげたのが始まりとされる。プロ野球界でもピンクの野球道具を使ったり、イベントを開いたり、大切な日となっている。(柏村翔)