【オールカマー】5番人気以内、4歳馬が好データ レーベンスティール、サリエラが有力
牝馬サリエラに注目
GⅠ級というと、2歳ホープフルSを勝ったキラーアビリティがいるぐらい。今年も秋の中距離GⅡとしては少しばかり寂しい顔ぶれだ。 前走クラスではGⅠが【5-5-1-23】勝率14.7%、複勝率32.4%と抜けている。その内訳は宝塚記念【2-2-1-9】勝率14.3%、複勝率35.7%、天皇賞(春)【2-1-0-6】勝率22.2%、複勝率33.3%となっている。 間隔が2カ月半と少し詰まる宝塚記念は確率的に低いのは気になるが、前走9着以内なら【2-2-1-6】。そもそもレベル的に厳しかったという馬でなければ、秋緒戦で巻き返してくる。 宝塚記念9着ヤマニンサンパは重賞未勝利どころか馬券圏内もない。上半期のハイレベル戦、鳴尾記念4着は個人的に引っかかるものの、オールカマーでは強気になれない。 もう一頭気になるのが天皇賞(春)12着サリエラだ。最近のオールカマーは牝馬が強く、【5-4-1-14】。さらに前走春のGⅠで10着以下だと【1-1-0-1】。GⅠの壁に大きくはね返されたとしても、その経験は大きい。 サリエラはこのデータに合致する。目黒記念3着、ダイヤモンドS2着など東京の長めの距離で結果を残しているが、ここでも決してひけをとらない。 前走GⅢは2000m【4-1-1-38】。サマー2000シリーズがあるからか、ここが強い。その着順内訳は3着以内【4-1-0-14】、4着以下【0-0-1-23】。さすがにGⅡに挑むならGⅢ好走は最低条件だろう。 ただ、今年は函館記念4着サヴォーナが目立つぐらい。データにはまらない。 ここまでデータを軸に分析していくと、どうも強気に推せる馬がいない。人気でいえば、エプソムCを勝ち、昨年のセントライト記念を勝ったレーベンスティールだろう。 前走エプソムCは【0-0-0-2】だが、2頭とも10着以下に負けており、当てはめるのは無理筋だ。2000年以降にデータを広げると、前走エプソムC1着は【0-0-1-1】。2009年シンゲンの3着があるだけだ。 レーベンスティールは状況的に大敗はないが、連勝を決めるかどうかは不透明。今年のオールカマーは彼岸の重賞であっても、そうそう堅く収まらない予感がある。はたして陰陽の均衡は保たれるだろうか。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳