永遠のライバル「フェラーリ対ポルシェ」ガチンコ4番勝負 速いのは? 美しいのは??【10年前の再録記事プレイバック】
クルマ好きが最終的にたどり着くのがポルシェといわれるのに対し、フェラーリは究極のクルマ道楽ともいわれる。永遠のライバルとも称される超名門カー同士のガチンコ対決4本をご紹介!(本稿は「ベストカー」2013年6月10日号に掲載した記事の再録版となります) 【画像ギャラリー】911対458イタリア パナメーラ対FF ボクスター対カリフォルニア…… 永遠のライバルフェラーリポルシェガチンコ4番勝負(14枚) 文:西川 淳
■ポルシェ911 VS フェラーリ458イタリア
絶対的なパフォーマンスで、458と同等の勝負をさせようと思えば911のまだ見ぬ991ターボか、GT3を引っ張りだしたいよね。 官能性でも同じで、991では迫力のエキゾーストノートを奏でるオプションも用意されるが、フェラーリV8の咆哮にはまるで及ばない。 でも、勝負の舞台を長距離移動などのグランツーリズモ性や、バリエーションの多さといった商品性におけば、がぜん911にも勝ち目が生まれる。 もちろん、デイリーユースにおける機能性の勝負では911の勝ちは火を見るより明らか。要するに、価格と好みを無視すれば非日常域でのパフォーマンスをとるか、日常域での使い勝手をとるかが、911シリーズとV8ミドフェラーリの選択の分かれ目というワケで、これで911の相手がカリフォルニアならば、大いに悩んだやろけど……。 ポルシェの作りはどこまでも精密で理性的。対してフェラーリのそれは、どことなく儚さがあり、感性に訴えかける。 工業製品としては、911の完成度がフェラーリを上回る。スポーツカーとしての性能と色気といった魅力で458が圧勝するも、街乗りからスポーツ走行まで1台にオールマイティな実力を求めるなら、458に劣るとはいえ当代一級のパフォーマンスを持つ911シリーズを選んで、悔いはない。 ●西川 淳の評価(911 VS 458イタリア) ・エンジン:8 VS 10 ・ハンドリング:8 VS 9 ・サスペンション:9 VS 8 ・安全技術:8 VS 6 ・ブレーキ:9 VS 8 ・総合評価:42 VS 41
■ポルシェケイマン VS フェラーリ458イタリア
いずれもスポーツカーの名門が作り出したミドシップのクーペ、という意味では対決させてもおかしくない。 けれども、両車の間にはベースモデル比でおよそ4倍弱という価格差が存在する。これを、どう考えるかが、この対決(フツウは対戦させないが、だから面白い)のキモ。 単純に、コストパフォーマンスを考えれば、458が負ける。だって、そうだろう。4倍高いからといって、性能やドライビングファンも4倍あるか、というと、そうではないからだ。 むしろ、ミドシップカーとしての扱いの楽しさでいえば、ケイマンが勝っているかも知れない。 ケイマンのスポーツカーとしての性能は、完全911と並んでおり、むしろ、911を超えないよう抑えるのに作り手は必死になっている感さえある。もう少しパワーのあるエンジンを積んでやれば、完全に911を上回る。 991型において顕著になったグランドツーリングカー志向は、そう遠くない将来に、ポルシェのリアルスポーツはケイマンとボクスター、と言わんがためかも知れないとさえ思う。それほど、よくできた、ファンなミドシップスポーツだ。 もちろん、458だって、よくできたミドシップスポーツカーであり、絶対的なパフォーマンス勝負ではケイマンに負けるものじゃない。けれども、その差はせいぜい15%増し程度であり、色気のあるスタイリングとサウンドを除けば、ケイマンといい勝負、ということもできる。何しろ、1/4の値段やし。 フェラーリというブランドに憧れもなく、真剣に運転を楽しむツールとして3000万円はなんぼなんでも高過ぎると思う人は黙ってケイマン。そのほうが2倍は楽しめると思うな。 ●西川 淳の評価(ケイマン VS 458イタリア) ・エンジン:8 VS 10 ・ハンドリング:10 VS 9 ・サスペンション:9 VS 8 ・安全技術:7 VS 6 ・ブレーキ:9 VS 8 ・総合評価:43 VS 41