「認知症患者が見る世界」漫画家とヘルパーを両立する女性が発信する「介護」の現実とは
介護される人と、する人について
「介護される人と、介護をする人」それぞれにさまざまな問題が生じ、接していくうえで心や体が苦しくなってしまうこともあるでしょう。 お互いどう接し合うのがいいのかについて「介護者も、被介護者も自分の心や体が壊れない距離を取るのが1番」といいます。 「いい家族だからいい介護者になれるとは限りません。家族だけで介護する時代ではありませんし、いろいろな専門職の方々が支援をしてくれます。そのためぜひ包括支援センターなど利用してほしい」という思いも現役ヘルパーの経験から語ってくれました。
介護についての思い
現役ヘルパーとして働いている吉田さんですが、仕事としての介護、家族の介護について思いを話してくれました。 「仕事として介護職に就いている人に対しては、とにかく給与をあげてほしい。介護福祉士の資格があれば多少給与はアップしますが、受験料も高額ですし初任者研修の資格しか持ってなくても有能な職員さんは山ほどいます。また家族の介護については、介護が必要になる前に予備知識だけでもどこかで用意してくれたらと思います」 また、家族を介護する方にとってのいい点については「自分が1番そばで見守れるところ」仕事での介護のいい点は「目の前の人の役に立っていると感じられるところ」と話してくれました。 「認知症や身体介護が必要な方々と触れ合う機会がもっと増えて理解が進むといいな…」と、ヘルパーとして働く中で、季節のイベントには近隣の住人も一緒に参加して盛り上げてくれたことから、こうした思いが生まれます。
心身のバランスが大切
読者へ「よく寝てよく食べて適度に歩く」という言葉を伝えたい吉田さん。その理由は「これらができなくなったら、心身のバランスが崩れてしまう」と考えているからです。 これまでに訪問介護、特別養護老人ホーム、病院、障害者支援とさまざまな経験をしてきました。しかし、体力的な限界を感じているため、これからは他のアプローチ方法を探して関わっていきたいといいます。 「自分では気がつきにくい不調があります。自分なりの健康スケールを持って無理せずが一番です」と話す吉田さんからは、漫画家とヘルパーを経験したからこそ、体を気遣う思いが伝わってきました。
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