日中首相、台湾情勢で応酬 処理水も対立、溝鮮明に
【ソウル共同】岸田文雄首相は26日、中国の李強首相とソウルで初会談した。中国による台湾周辺での軍事演習を踏まえ、台湾海峡の安定化を促した。李氏は「中国の核心利益の核心であり、レッドラインだ」とけん制し、応酬となった。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っても対立し、両国の溝が鮮明になった。戦略的互恵関係を推進し、課題や懸案について進展を図る方針は確認した。 両氏は昨年9月にインドネシアで立ち話をしたが、正式な会談は初めて。 岸田首相は処理水海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を要求。李氏は処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出は「人類の健康に関わる」と懸念を表明。長期的な国際モニタリング体制の構築に「さらなる誠意と建設的な態度」を示すよう求めた。両氏は処理水を巡る事務レベル協議の加速では一致した。 岸田首相は日中関係の安定化に関し「両国のみならず地域や国際社会にとっても有益だ」と述べた。李氏は「日本と中国が歩み寄り、建設的かつ安定的な関係構築に努力するよう望む」と語った。