竜(ドラゴンズ)は秋の沖縄で爪を研ぐ・投手編~根尾、仲地、そして柳の現在地~
柳裕也~30歳投手が異例の抜擢
沖縄で汗を流すメンバーの中、唯一の30代が柳裕也である。2024年シーズンは、待望の開幕投手を務めながらも、そのピッチングは次第に本来のものとは程遠いものになっていった。好投しても打線の援護がなく、不本意な途中交代もあったが、柳クラスの投手になれば泣き言は許されない。ましてや選手会長である。投手陣、そしてドラゴンズを引っ張る意気込みは人一倍である投手だけに、規定投球回数にも達しない4勝5敗という成績は、不完全燃焼そのものであろう。3年連続最下位の責任を最も感じているはずである。
ファンとして柳に期待すること
沖縄キャンプで柳に期待するのは、全員が後輩である若手たちと一緒に汗を流す中で2つある。ひとつは、自分自身の気持ちをリフレッシュさせること。ファンとして見ていて、今季はベンチとの意思疎通がうまくいっていない部分を感じた。そのストレスを消滅させてほしい。そして、もうひとつは"ひとつ屋根の下"で過ごす後輩たちの心を、しっかりと教育してほしい。これだけ何年もチームが勝てていないと、どうしても"負け犬根性"が沁みつくものである。新監督の下での逆襲へ、若竜たちをうまくリードする期間であってほしい。おそらく、井上監督もそれを期待しての、秋の沖縄帯同だと信じている。 【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。
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