第10回ふくしま産業賞 夢スタートアップ賞次代応援賞 山中煎餅本舗(福島県喜多方市) 蔵の宿から観光周遊
店舗敷地内にある1901(明治34)年に建てられた蔵を改装し、一棟貸しの宿泊施設「蔵の宿MARUTOKO(まるとこ)」として昨年11月にオープンさせた。観光客に滞在してもらうことで、蔵のまち喜多方の魅力発信に取り組んでいる。 宿の名称はせんべいの形、人とのつながり、観光周遊を表す「MARU」と、寝床、市内慶徳町にある国重要文化財・新宮熊野神社「長床」の「TOKO」を組み合わせ、思いを込めた。 1階には土間とキッチン、風呂場、2階にはベッドを備えた寝室と和室があり、最大6人まで宿泊できる。土間や天井のはりは建築当時の状態を残し、IH調理器や洗濯機などを備えた。蔵の歴史や雰囲気を存分に味わいながら、快適に泊まることができるよう工夫した。 地元の暮らしを感じてもらおうと、市内の「会津田舎家」が作る郷土料理や市内四つの酒蔵が醸造する日本酒の飲み比べが楽しめるプランを用意している。宿泊者は隣接する店舗でせんべい焼き体験もできる。土間は貸しスペースとして利活用している。ワークショップの実施、会津の伝統工芸や雑貨の販売の場となっている。
渡部ひとみ代表(46)は「蔵を身近に感じてもらい、ぜいたくなひとときを満喫してほしい」と願っている。 ■メモ ▽創業=1900(明治33)年 ▽代表=渡部ひとみ ▽従業員数=8人 ▽住所=喜多方市関柴町上高額字北町407の1 ▽電話番号=0241(22)0614