創建1300年の多賀城、闇夜に3Dで蘇る…巨大スクリーンに実寸大の正殿をホログラム投影
多賀城の創建1300年を記念し、宮城県多賀城市の国特別史跡「多賀城跡」で23日、「政庁正殿」を3Dホログラムでよみがえらせるイベントが始まった。闇夜に浮かび上がった荘厳な姿に観光客は魅了されていた。
県の企画で映像は約7分間。時計の針を巻き戻す演出後、春夏秋冬の映像が映し出され、正殿がほぼ実寸大で現れる。正殿を再現した骨組みに設置された横21メートル、縦13メートルのスクリーンに4か所から映像を投影した。
23日のオープニングイベントには約200人が参加。親子で訪れた福島県郡山市の主婦(34)は「まるで建物があるように見えて感動した」と笑顔だった。村井知事は「華やかなナイトタイムを過ごしてほしい」と語った。
制作した映像会社「ネクシィーズ・ワンダーウォール」(東京都)の藤原一秀社長(38)は「国内でも最大規模の3Dホログラム。歴史ある場所で楽しんでほしい」と胸を張った。
12月8日まで毎週土、日曜日の午後5~8時、15分間隔で上映される。8日には多賀城市出身のバイオリニスト郷古廉さんによるコンサートも予定されている。
多賀城は奈良時代の724年、大野東人(おおののあずまひと)によって創建され、陸奥国府と軍政をつかさどる鎮守府が置かれた。今年8月には創建の年などを記す石碑「多賀城碑」が国宝に指定された。
創建1300年となる今年は多くの記念事業が行われ、市が復元した外郭南門が一般公開された。12月15日には南大路でファッションショーが行われる。同市の深谷晃祐市長は「多くの方に歴史を感じてほしい」と語った。