「100匹以上のペットの遺体」をゴミのように捨て続け…埼玉県のペット葬儀業者が飼い主についていた「おぞましい嘘」
故人との最後の別れを告げる神聖な場所のイメージが強い、火葬場。しかし過去には、驚くべき事件が多数起こっている。 【マンガ】火葬トラブルは人間でも…ガン患者のお腹から飛び出した「2体の赤ちゃん」 元火葬場職員である下駄華緒氏の『火葬場事件簿 一級火葬技士が語る忘れ去られた黒歴史』は、そんな火葬場にまつわる全国各地の事件を丹念に調査した話題の書籍だ。 同書より、ペットの供養や火葬に関する事件の詳細を一部抜粋して紹介する。 平成22年(2010)3月、埼玉県飯能(はんのう)市にある車道沿いの山林で、動物の死骸が大量に遺棄されているのが見つかった。かつてペットとして飼われていた、100匹以上の犬と猫だったという。 そして、警察による捜査の結果、ついに犯人がつかまった。 前回記事〈服を着たままの犬や猫の遺体が《100匹以上山積み》に…埼玉県のペット葬儀業者が隠していた「残酷な現場」〉より続く。
ペット葬儀業者の悪辣な手口
やはり当初のにらみどおり、ペット葬祭業者を経営していた男。驚くべきことにこの人物、じつは元町会議員。3期12年も務めたのだという。 こんな立派な人物がいったいどのような理由があってペットたちを遺棄したのか。 取り調べの結果、その悪辣(あくらつ)な手口が明らかになった。
怪しい葬儀内容
「火葬したら骨にしてお返しします」 このペット葬祭業者の男は、火葬を依頼した飼い主へそう約束していたという。 まずペット葬儀を依頼されると、まずは黒いワゴン車を運転して飼い主の自宅を訪問する。このとき、男は喪服だ。 そこで形だけのお悔やみを述べると、ワゴン車の荷台に積まれた祭壇を使い、その場で録音したお経を10分ほど流す。そして供養、火葬、遺骨返納のセット料金を受け取る。 もともとこの業者は電話帳に大きく広告を載せていた。そこに踊っていた文字は「火葬5000円~」「納骨無料」と安い。 だが、訪問先によっては、いきなり6万円を提示してくることもあったそうだ。広告とのあまりの違いに飼い主が渋ると、「なら、1万円でいいです」と、あっさり6分の1に下がるという報告もある。 それ以外にも、「遺骨は提携する寺の共同墓地に埋葬します」「火葬の立ち会いはできませんが、2万円追加すれば遺骨をお返しします」などと、遺骨を返すという約束すら、コロコロと条件を変えたりしていたようで、行く先々で不信感を抱かせていた。 ここまででじゅうぶん怪しいが、本当に悪質なのはこのあとだった。