元舞台女優が、児童養護施設の子どもを預かる「フレンドホーム」を経験して感じたこと|STORY
そんな交流を4年続け、今年の2月、20歳になり、一人暮らしを始めたところでホームが終了しました。 「子どもは家庭生活をとおして、家族の人間関係や家事、価値観を学ぶことができます。一方、受け入れる側も、子どもが来ていないときも夫婦で彼女の話をしたり、成長に一喜一憂したりと幸せな時間をすごすことができるんです。夫は、息子には厳しい父親だったかもしれず、こうすればよかったかなという思いを持って彼女には接してくれていたようでした。彼女はマンゴーが大好きなんですが、夫が外出先で思い出して、大きなマンゴーを買ってきたことも。美味しそうに食べる彼女の姿に、目じりを下げていました。親として、もう一度勉強させてもらった宝物のような経験だったと感謝しています。里親や養子は難しくても、フレンドホーム同様の短期里親等の制度が各地にあることを知ってもらい、参加してもらえたらと。たくさんの大人に囲まれて愛された子どもたちは、必ず素敵な未来を創ってくれると信じているんです」。
児童福祉施設を出たあとの子どもたちにも学びの場が必要と強く感じ、『一般社団法人 泉鳳』を立ち上げ、現在活動しています。 「子どもの環境を整えることが、大人の役目だと思うのです」と亜耶さん。さまざまな活動で知り合った子どもたちからの手紙は宝物。亜耶さんを親のように慕う言葉が詰まっています。
<編集後記> 愛と行動力に満ちた亜耶さん。笑顔が素敵でした里親制度については何回か取材してきましたが、今回、初めて「フレンドホーム」制度を知りました。そして、佐藤浩市さんのご家庭がホームになっていたということに、本当に驚き、感動しました。亜耶さんが立ち上げているほかの活動やプロジェクトについても、ぜひ今後お伝えしていきたいです。(ライター 秋元恵美) 撮影/平井敬治 取材/秋元恵美 ※情報は2024年6月号掲載時のものです。