待ちに待った“ビタちく”生産再開 地震で工場被災…5か月ぶりに稼働 7割消費する長野県でも6月1日から店頭に 「ようやく再開できてうれしい」
長野県民おなじみのちくわがいよいよ食卓に帰ってきます。能登半島地震で石川県の工場が被災し、出荷が止まっていたスギヨの「ビタミンちくわ」。5月31日から生産が再開され、6月1日にも店頭に並びます。
次々と焼き上げられていくちくわ。石川県七尾市の練り物メーカー「スギヨ」の「ビタミンちくわ」です。 1952年に発売され、およそ7割が信州で消費されている県民おなじみのちくわです。 そのパッケージにあるのは「がんばろう能登」の文字。
工場では31日、特別な思いで作業が進められていました。 スギヨ・古川竜太朗工場長: 「ようやく5カ月ぶりにちくわを生産することができてうれしい」
元日に発生した能登半島地震。スギヨの本社工場も、生産ラインなどが大きな被害を受け、市販用の生産は完全にストップしました。 スギヨ広報・水越優美さん(今年1月): 「いま復旧の見通しも立たない状態で、またビタミンちくわを作れるか分からない状態」 県内のスーパーでは、「ビタちく」が並ばない日が続きました。SNSなどでは信州から励ましの声が次々と寄せられました。 「復活待ってる!スギヨの“ビタちく”はオレたちのソウルフードなんだ!!」 「長野県民ご用達ちくわが食べられないのはつらいけど、頑張れ!スギヨ!」
震災から間もなく5カ月。 記者リポート: 「およそ5カ月ぶりに焼炉に火が付きました、待ちに待ったビタミンちくわの製造が始まります」
工場の復旧が終わり、31日から「ビタちく」の生産が再開しました。 棒に巻き付けられるのはスケトウダラのすり身と調味料を合わせたもの。およそ15分間じっくりと焼き上げます。 震災前は1日30万本を生産していましたが、31日は10万本だけ。少しずつ製造量を増やし元通りの30万本を目指すということです。
できあがった「ビタちく」は、夕方、配送のトラックに積み込まれました。長野県内の店頭でも6月1日から並ぶ予定です。 スギヨ・古川竜太朗工場長: 「(長野県民)皆さんの温かい声援、励ましの言葉をいただいて、なんとか生産を再開することができました、感謝しております。これからもおいしいビタミンちくわをお届けできるように頑張ります」
長野放送