名物グルメ、茅葺き屋根の駅舎……会津を満喫するローカル線の鉄印旅
会津鉄道(福島県)
1987年にJR東日本から引き継がれた会津鉄道の旅に出掛けた。 会津高原尾瀬口駅~会津田島駅間は90年に電化され、現在、東武線浅草駅から特急リバティ会津が野岩(やがん)鉄道を経由して直通運転している。 会津田島駅で乗り換えさらに先へ。途中、国の天然記念物に指定されている景勝地、塔のへつりを一巡り。「へつり」とは険しい崖を意味している。 湯野上(ゆのかみ)温泉駅は全国でも珍しい茅葺き屋根の駅舎。中には囲炉裏があり乗客の心を和ませてくれる。併設される源泉かけ流しの足湯「親子地蔵の湯」で温まり、さらに北上する。 ここから列車は、大川ダムの建設に伴い80年に線路変更された区間を進んでいく。芦ノ牧温泉南駅(旧桑原駅)付近で若郷(わかさと)湖を望み、前方に朝日連峰が見えてほどなく芦ノ牧温泉駅に到着する。 芦ノ牧温泉駅の3代目名誉駅長となった「さくら」の写真はこちら
駅では、2023年11月に3代目名誉駅長となった猫の〝さくら〞がお出迎え。昼食は、駅前で創業100余年営業を続ける牛乳屋食堂で、名物のソースカツ丼(1300円)をいただく。初代名誉駅長にちなんで〝Cafeばす〞と名付けられた駅舎で一息つき、再び列車へ。 会津盆地を囲む山々を見ながらしばし走ると、会津鉄道の起点、西若松駅に着く。駅の東方向には、会津地方のシンボルとなっている鶴ヶ城があり、天守閣から会津盆地を一望できる。ここから会津田島駅に戻り、最後に鉄印をもらう。
駅長や駅員が直接筆で記帳してくれる会津鉄道の文字は、会津のシンボル磐梯山と線路がどこまでも続く様子がイメージされているという。 駅員の星裕也さんは「会津線沿線の魅力を肌で感じてもらい、旅の思い出に鉄印をもらっていただきたい」と、笑顔で話してくれた。 文・写真/越信行 会津鉄道 鉄印の記帳は会津田島駅窓口にて。5時~22時20分、鉄印の記帳料/300円(乗車券の提示が必要) 電話0241・62・0065 ※「旅行読売」2024年2月号より