「4.16、大阪」で山中と辰吉Jrが競演!
WBC世界バンタム級王者、山中慎介(32歳、帝拳)が4月16日、大阪のボディメーカーコロシアムで同級7位のディエゴ・サンティリャン(27歳、アルゼンチン)と8度目の防衛戦を行うことが12日、発表された。この世界戦のアンダーカードでは、元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎の次男、寿以輝(18歳、大阪帝拳)の岩谷忠男(31歳、神拳阪神)とのデビュー戦も組まれた。“神の左”で伝説となりつつあるチャンピオンと、カリスマチャンピオンの遺伝子を継ぐ辰吉ジュニアが競演することになった。
世界戦の記者発表資料に「前座試合 主な組み合わせ」とされた一枚の用紙が挟まれていた。 辰吉寿以輝のプロデビュー戦を報告する資料だった。“神の左”と称される左ストレートで7度の防衛中5試合をKO決着。ボクシング史に名を残す名王者への階段を昇りつつある山中のV8戦の前座カードに、かつて、このバンタムの緑色のベルトを腰に巻いていた、あのカリスマ、辰吉丈一郎の次男が登場することになったのだ。 辰吉寿以輝は、昨年11月に大阪行われたプロテストで、相手を強烈なフックでダウンさせるインパクトを見せつけて合格。4月にデビュー戦を組む方向で調整されてきたが、運よく、山中のビッグマッチの前座にデビュー戦が用意されることになった。辰吉Jrの話題性と注目度をテレビ局側もほうっておくわけがない。 それでも、当初、辰吉サイドは、「アマ経験もないボクサーのデビュー戦が山中の世界戦の前座を務めるなど役不足で申し訳ない」と、辞退する方向でいたのだが、最終的には、周囲の説得もあって用意された最高の舞台を受け入れることになった。 辰吉Jrのデビューに関しては、王者、山中も興味津々である。 「おそらく相当なプレッシャーがあると思う。あまり緊張しないで力を発揮してもらいたいですね。僕も、どんなボクシングをするのか見てみたい。当日、控え室のモニターで見ることになるとは思うんですが」 昨秋のプロテスト前に、寿以輝は上京して、帝拳ジムでスパーリングを行っていた。山中も、その際、直接、話をする機会があったという。 「お父さんを話題にしたボクシングの話をしたと思う。スタイルが違う? あのお父さんの天才的なスタイルを真似するのは誰であっても難しいでしょう」 その寿以輝の相手は、プロ戦績1勝2敗で31歳の岩谷。父と同じバンタム級の選手で、大阪帝拳の吉井会長は、「最初から楽な外国人を呼んでくるようなカードは組みたくない」と、日本人を基本線にマッチメイクを模索していた。「すべて倒して勝つ」と、プロテストの際にボクシングポリシーを語っていた寿以輝が、どんなデビュー戦を見せてくれるのか。