バフェット氏のバークシャー、BYD株の売却ペース鈍化-株価回復
(ブルームバーグ): ウォーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)の株式の売却ペースを鈍化させている。中国製EVに対する投資家センチメントが徐々に回復していることを映している可能性がある。
6月14日の香港取引所への届け出によると、バークシャーは昨年10月以降、BYD株約1%を売却し、保有比率を6.9%に減らした。2022年8月から23年6月までの10カ月間に保有比率をほぼ毎月1ポイントずつ引き下げていたのと比べると、かなりのペース鈍化だ。
バークシャーの投資パターンは、貿易摩擦や激しい価格競争を特徴としつつも世界的な市場浸透も進む中国EVセクターの波乱含みの展開に沿うものだ。業界の指標とされるBYDの株価は、販売見通しや新製品の投入、規模の優位性などを背景に、昨年末からの下げをほぼ回復した。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ジョアンナ・チェン氏は、「バークシャーはおそらく、より高いバリュエーションを期待していたため、前回の売却後に一時停止したのだろう」と分析した。
BYDの株価は、バークシャーが22年8月に持ち分売却を開始した後、最大36%下落したが、今年は9%近く上昇し、昨年11月以来の高値圏で推移している。同社は23年の純利益が予想を下回ったものの、3月に投資家に対し、今年の売上高について20%増加を目標としていると説明した。
BIのチェン氏は、BYDのコスト優位性は「ほとんど再現不可能だ」と述べ、「BYDが関税を回避し、中国国外で価格競争することに前向きになれば、販売台数と市場シェアはさらに飛躍する可能性が高い」と予想した。
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原題:Berkshire Slows Pace of BYD Share Selling Amid Stock’s Rebound(抜粋)
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Jeanny Yu