市川團十郎が4役勤め、登場人物の物語を“よりはっきりと”描く「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」開幕
市川團十郎が出演する「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」が、昨日1月3日に東京・新橋演舞場で開幕した。 【画像】「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」昼の部より。(他26件) 本公演は、團十郎にとって新橋演舞場で出演する15回目の正月公演。今回は、歌舞伎三大名作の1つとされる「仮名手本忠臣蔵」を、現代ならではの形で「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」として新たに立ち上げ、團十郎が大星由良之助を初役で勤める。團十郎は由良之助に加え、早野勘平、斧定九郎、高師直を早替りで演じる。また、勘平を失ったおかるの前に、幻想のおかると勘平が現れて舞い踊る様子が、新たな創作場面として追加された。 上演に際し、團十郎は「『裏表忠臣蔵』を初演した七代目團十郎の精神を受け継ぎながら、登場人物の物語がよりはっきりと描き出される、現代に合わせた『裏表忠臣蔵』となるよう稽古を重ねてきました。通常では大変上演時間が長い『忠臣蔵』ですが、今回は、物語はしっかりと描きながらも上演時間は短くテンポを上げ、『忠臣蔵』をご存じの方も、まだご覧になったことがない方も、皆様にお楽しみいただける作品に作り上げました。この機会にぜひ新橋演舞場にて『忠臣蔵』の世界に触れていただき、物語の根底に流れる日本人が大切にしてきた心を感じていただき、お楽しみいただければ幸いです」とコメントした。公演は1月26日まで。 ■ 市川團十郎コメント 新年おめでとうございます。 皆で一丸となり稽古を重ね、本日無事「双仮名手本三升 裏表忠臣蔵」の初日を迎えることができました。 新橋演舞場のお正月公演への出演は本年で15回目となりますが、毎回が「新たな挑戦」となっております。 今回は古典歌舞伎の名作「仮名手本忠臣蔵」を「表」、現代に合わせた形の新たな場面を「裏」としてつけ、「裏表忠臣蔵」を初演した七代目團十郎の精神を受け継ぎながら、登場人物の物語がよりはっきりと描き出される、現代に合わせた「裏表忠臣蔵」となるよう稽古を重ねてきました。通常では大変上演時間が長い「忠臣蔵」ですが、今回は、物語はしっかりと描きながらも上演時間は短くテンポを上げ、「忠臣蔵」をご存じの方も、まだご覧になったことがない方も、皆様にお楽しみいただける作品に作り上げました。 この機会にぜひ新橋演舞場にて「忠臣蔵」の世界に触れていただき、物語の根底に流れる日本人が大切にしてきた心を感じていただき、お楽しみいただければ幸いです。 本年は若手も多く出演しており、様々な出演者により生まれる舞台上のエネルギーもご堪能いただければと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 「双仮名手本三升」は1月26日(日)まで上演予定です。 ぜひ本作のご喧伝のほど何卒宜しくお願いいたします。 ■ 双仮名手本三升 裏表忠臣蔵 2025年1月3日(金)~26日(日) 東京都 新橋演舞場 □ スタッフ 作:竹田出雲 / 三好松洛 / 並木千柳 補綴・演出:石川耕士 演出・振付:藤間勘十郎 □ 出演 大星由良之助、早野勘平、斧定九郎、高師直:市川團十郎 桃井若狭之助、清水大学、五十谷重左衛門:市川右團次 寺岡平右衛門:中村歌昇 足利直義、佐藤与茂七:中村種之助 おかる:中村児太郎 顔世御前、松野十平次:大谷廣松 傾城浮橋、笠岡伝五右衛門:市川男寅 千崎弥五郎:中村福之助 大星力弥:中村虎之介 大鷲文吾:中村歌之助 矢間新六:市川右近 幻想のおかる:市川ぼたん 幻想の勘平:市川新之助 母おかや:中村梅花 斧九太夫、織部安兵衛:市川九團次 薬師寺次郎左衛門、吉田周左衛門:片岡市蔵 原郷右衛門:市川男女蔵 塩冶判官、加古川本蔵:中村梅玉 ※中村梅花は昼の部のみ、中村歌昇、市川男寅、市川右近、市川ぼたん、市川新之助は夜の部のみに出演。