「私はクルド人が嫌い!」はヘイトスピーチ? とっても難しい「誹謗中傷」と「意見論評」は何が違うのか
学校教育のせいなのか?
私たちは学校で「人の嫌がることを言ってはいけない」と習ってきました。が、ややこしいことに「嫌がること」=誹謗中傷とは限りません。「A君はB君より足が遅い」は単なる事実の摘示、意見論評ですが、それでもA君は嫌がるでしょう。学校はそれも「ダメだよ」と指導します。 本来なら、学校で「誹謗中傷」と「意見論評」の違いをしっかり教え、そのうえで相手への思いやり、自分の発言に責任が伴うことまで教えられたら最高、なんですが……残念ながら無理。なぜなら、意見論評だからいいでしょ、と好き勝手に暴れる親子が出現し学校運営が崩壊するからです。 ただその結果、社会のアチコチに「私は傷ついた!」と騒いて相手を黙らせようとする輩が出現し、面倒くさい状況を起こしているのも事実です。ヘイトスピーチの概念は、一部の偏った活動家に与えられたオモチャではないんですけどね。 まずは我々大人が「誹謗中傷」と「意見論評」の違いを認識し、ちゃんと使い分けられる社会を作り、子どもたちに見せてあげるところから、ではないでしょうか。 Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員) ※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。
小木曽 健