今平周吾 メジャー初制覇 感情むき出しガッツポーズ 史上4人目ツアー初Vから7季連続優勝
「男子ゴルフ・日本オープン選手権・最終日」(13日、東京GC=パー70) 3位から出た今平周吾(32)=ロピア=が5バーディー、3ボギーの68で回り、通算4アンダーで初のゴルファー日本一に輝いた。国内メジャー初優勝で、昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来となる節目の通算10勝目となり、5年シードを獲得。2017年の初優勝から、池田勇太、片山晋呉、尾崎直道に次いで史上4人目となるツアー初Vから7季連続優勝(20-21年は統合シーズン)を果たした。1打差の2位は木下稜介。大会3勝目を狙った稲森佑貴は通算イーブンパーの3位だった。 寡黙でクール、いつも表情を崩さない今平がほえた。木下と同スコアで迎えた最終18番。20メートルの長いバーディーパットを沈めて優勝をたぐり寄せた。届かなかったメジャータイトルをつかむと、長年バッグを担いできた柏木キャディーも「初めて見た」という感情むき出しのガッツポーズ。大歓声の人垣へウイニングボールを投げ入れた。 「頭が真っ白に…じゃないけど、すごく変な心境になりましたね」 4日間でアンダーパーは2人。深いラフは1ペナルティー相当の過酷なセッティングで勝つゴルフを貫いた。ドライバーを握ったのは4日間のうち6回だけで、フェアウエーキープ率は大会4位。徹底的に刻んで前半2つ伸ばすと、後半は14番で8メートルを沈めるなど集中力は途切れなかった。 ツアー優勝は初Vから史上4位の7季連続に伸びた。「切らしたくない」というこだわりの記録は続く。18、19年の賞金王も、今季は8月に3戦連続予選落ちなど苦戦。シーズン連続優勝は途絶えるピンチだった。 不調の原因は自分らしさを見失ったこと。飛距離を求めて増量する時期もあったが、32歳の中堅に差しかかる自身には合わなかった。だから飛距離よりも正確性へと“原点回帰”。「自分のサイズでどれだけポテンシャルを出せるかを考えた」と食事制限を取り入れ、動きやすい体に戻した。 賞金ランキングは4位に浮上。3度目の賞金王も見えてきた。高校を中退して米国留学も経験した海外志向の強さは変わらず「アメリカでやりたいのは最大の目標」という。口数は少なくても、心の内には静かな闘志を燃やしている。