「チロルチョコに虫」お騒がせ投稿“未成年”でも「責任能力」問われる? 子どものSNS炎上、保護者が気をつけることは
不適切投稿には「企業から損害賠償請求」のリスクも
刑事責任とは別の問題として、民事責任を問われ、企業から損害賠償請求される可能性もあるのだろうか。 「刑事責任と異なり、過失でも認められるという点で民事責任は生じやすいと言えます。 損害賠償請求をするには投稿者の特定が必要ですが、たとえば本件では投稿者と保護者が企業に連絡しているため特定は可能になっており、企業側がやろうと思えばできるでしょう」(杉山弁護士) 未成年が責任を負うかは「民法712条における事理弁識能力によって判断される」という。 「ただし、この条文には『何歳だったら責任能力を認める』と形式的な規定がされているのではなく、その事案の実質を踏まえて個別に考えられることになり、12歳前後でも評価が分かれています。そのため、未成年自身に関しては、刑事と比べて民事の責任が生じやすいとは言い難いです。 しかし、未成年に責任能力がないとされた場合でも、民法714条によって保護者に責任が生じ得るため、やはり民事上の責任は家族としては問われやすいと言えます」(同前)
SNS「未成年が使いこなせるものではなくなっている」
SNS投稿による思わぬトラブルを避けるべく、未成年の子どもを持つ保護者へ、杉山弁護士は次のようにアドバイスする。 「今回の騒動では企業側も穏当な対応をしており、まだささやかで済んだ方とも言えます。 しかしSNSは、ちょっと操作するだけで未成年売春や淫行、薬物の売買、直近の話題だと闇バイトにもアクセス可能なツールです。実際に、そのような行為も日常的に行われています。 この現代社会でSNSなしに暮らすハードルが高いのは理解していますが、未成年が使いこなせるものではなくなっていることも確かなのだとは、まず理解してほしいです」
弁護士JP編集部