農水相に小里氏 「食料安保強化に全力」 改正基本法受け新計画策定へ 水田政策など見直しも
1日に発足した石破茂内閣で、農林水産大臣に自民党衆院議員の小里泰弘氏が就任した。 2日の初登庁後に会見した小里氏は「農水省の最も大事な役割は、国民のみなさまに安心・安全な食料を供給すること。食料安全保障の強化に全力で取り組む」と表明。 先ごろ改正された食料・農業・農村基本法に基づく、新たな基本計画を今年度中に策定する方針を示したうえで「日本の農業を担ってきた世代の方々が、これからさらに減少していく。農業従事者の確保の問題が大きな課題だ」として、農業者が将来に希望をもって取り組めるようにするための対策を基本計画に盛り込む考えを述べた。初動の5年間を農業構造転換集中対策期間と位置づけ、計画的に進める方針だという。 水田政策の見直しに向けた検討も進める。 18年に減反政策が廃止された後も、政府は小麦や飼料用米への転作に補助金を出すなどして、主食用米の需要予測に応じた生産抑制が続けられている。 小里氏は「石破総理は従来、減反自体はないほうがいいと指摘されてきた。だが需要に応じた生産は否定しておらず、お考えの中心にあると思う」として、主食用米の輸出拡大や、飼料用米を中心とした新たな需要拡大のあり方を模索する方針だという。 また畜産分野では、枝肉価格の低迷にともなう農家の苦境打開に向けた経営安定化策を推進。米国やEU、イスラム諸国向けの輸出促進を図るとともに、新たな輸出先開拓にも注力する。また国内向けには、一頭フルセット販売やサーロインなど高価格帯部位の需要拡大に向けた支援など、実効性ある対策に取り組む考えを示した。 小里氏は鹿児島県出身、66歳。野村證券などを経て、衆院議員だった父の政策秘書を務めた後に05年の衆院選で初当選。現在6期目。自民党総務会長代理、副幹事長などを歴任した。