グーグル、ネクストGIGAに向けた新パッケージにダッシュボード機能などを追加
グーグルは2024年4月23日、GIGAスクール構想で導入した1人1台端末が更新期を迎える、いわゆる「ネクストGIGA(第2期GIGAスクール)」に向けて、新しいパッケージ商品「第2期向けGoogle for Education GIGAスクールパッケージ」(以下、 GIGAスクールパッケージ)を発表した。 GIGAサポートパックで用意する6つのサポートメニュー 文部科学省が2020年から推進しているGIGAスクール構想で導入された1人1台端末は、2024年度から順次更新が始まる。グーグルは学校など教育機関でのICT活用に必要なソリューションをパッケージで提供することで、Windowsパソコンや「iPad」を導入した自治体にChromebookへの乗り換えを促すと同時に、Chromebookを導入済みの自治体への継続利用を働きかける。 GIGAスクールパッケージでは、GIGAスクール構想の標準仕様に合わせたクラウド型教育プラットフォーム「Google Workspace for Education」に、新たに専用モバイルデバイス管理(MDM)ライセンス「Google GIGA License」と、スムーズな導入や活用を支援する「GIGA スクール サポートパック」を加えた。 Workspace for Educationは、授業支援アプリの「Classroom」を中心に、「Gmail」や「スプレッドシート」、文書管理の「ドキュメント」などを教育機関向けにパッケージ化したサービス。GIGA Licenseは従来から提供しているMDMの上位版で、BIツール「Looker Studio」で構築されたダッシュボードをセットで提供する。発表会で説明を行ったGoogle for Education 営業統括本部 本部長の杉浦剛氏は「文部科学省から端末の活用状況などデータの可視化の要望があったことを受け、MDMにデータ可視化の機能を追加した」と話した。 GIGA Licenseにはセキュリティや自動更新機能などが含まれ、端末の利用状況や児童・生徒の学びの履歴の可視化などができるダッシュボード連携機能を備える。これは、端末を買い替えるまで利用できるGIGA専用端末ライセンスになる。 GIGAサポートパックでは、新規でChromebookの導入を検討する自治体に向けて端末を貸し出したり実証を支援したりする「トライアルサポート」と、Workspace for Educationの初期設定やアカウント作成・移行を支援する「新規導入サポート」を提供する。GIGAスクールパッケージを継続利用する自治体に向けては、現状の環境の確認や更新を支援する「継続導入サポート(環境確認・更新支援)」を提供する。 GIGAスクールパッケージを採用し、GIGA端末としてChromebookを導入する自治体に対して研修計画の立案を支援する「Kickstartサポート」やダッシュボード構築を支援する「データ可視化サポート(データ利活用支援)」も提供する。 GIGAスクール構想の第2期では、購入する端末の回収・廃棄についても計画を立てることが求められている。Chromebookを含めて初期導入した端末の無償回収・処分や、第2期に導入する端末の改修・処分計画を立案する「リサイクルサポート」も用意した。杉浦氏は、「端末やICT環境の活用を進めてもらうため、導入に伴うトラブルや活用に関する悩みの解決を支援する」と話した。 現在の学校環境では、情報セキュリティの確保などを目的に、学習系と校務系のネットワークが分離されている。学習と指導にChromebookを使う自治体でも、事務作業などの校務にはWindows端末を利用するケースは多いという。グーグルは、校務系の端末にChromebookを導入した東京都荒川区の事例を紹介した。仮想環境を通じて校務ネットワークにアクセスすることで、1台のChromebookで学習系と校務系の両方に対応したとして、利便性の改善をアピールした。
文:小槌 健太郎