小松菜奈 “最低の父親”役所広司は「優しい人」
もっとも、この作品でつかみ所がないのが、小松の演じる『加奈子』だ。「悪魔かっていうと悪魔だけど、天使のように見えるし」と小松自身が話すように、誰もが憧れる存在でありながら、常軌を逸したやり方で、周囲を奈落へと突き落としていく。それでも小松との共通点はあるという。「加奈子は賢い子であるし、友達からも憧れる子。私は雑誌にモデルとして出ていて、読者の人は、私の存在を想像する。読者の人にとって、モデルとして憧れられている、というのは現実にあると思うし、そういう意味では、本当の存在を分からないまま憧れられている、という部分は加奈子と共通しているんだと思います」と、難しい役どころを自分自身に置き換えて演じている。 一見、家族にとって自慢の娘である加奈子は、天使なのか悪魔なのか? 小松の実生活の父親とはほど遠い、役所広司演じる“最低の父親”と、天使のような悪魔のような小松菜奈演じる加奈子との複雑すぎる親子関係は、この作品のみどころの1つだろう。