小松菜奈 “最低の父親”役所広司は「優しい人」
映画『渇き。』でヒロイン役を演じる小松菜奈。18歳の新人ながら、作品では役所広司演じる“史上最低の父親”との複雑な親子関係を見事に演じきっている。『渇き。』は、小松が演じる加奈子の失踪をきっかけに、衝撃的な事実が次々に明かされていくサスペンスだが、この事件の根底には “最低の父親”が作り出した家庭環境があったりもしている。それ故に、娘を持つ親にとっては、複雑な思いにさせられる作品となっている。実生活では、父親と仲良しだと言う。 汚い言葉を発し、暴力を厭(いと)わない。仕事中心で家庭をかえりみないことで家族が離れていってしまった加奈子の父、藤島役を役所広司が強烈に演じている。作品では、怖いイメージしかない父親だが、「会う前の役所さんのイメージは、優しそうな人だと思っていました。でも、演技もすごいし、今回は役が役なんで、休憩中にも役に入り込んでいるイメージでした。話しかけづらいというか。でも、実際は、役所さんから、話しかけてくれたり、気を遣っていただいて、とても優しい方でした。でも、本番だと役に入り込んでいて切り替えがすごい、と思いました」と振り返る。 一方で、映画の中で演じられる“史上最低の父親”については、客観視している。「加奈子のお母さんより、お父さんのほうが加奈子を思ってくれています。でも、家庭環境が問題で、加奈子が(悪い方へ)変わったのかもしれない。その原因を作ったのは、親が原因だと思うので。加奈子のお父さんは、ひどい目にたくさん遭ってたけど、自業自得というか、“どんまい”って感じですね」と、クールに指摘する。 実際の小松菜奈としての家族の関係、父親との関係は、というと平均以上に仲の良い親子だ。もの静かだという小松の父は、いつも穏やかで、小松の味方になってくれるという。「お父さんのことが嫌だと思ったことはないですね」と、円満ぶりを笑顔で話す。態度が悪かったりで、厳しい躾もあったそうだが、「それは、私にも原因があったので」と、素直な一面をみせる。