地下駐車場、検討具体化へ 8月に市民と初の意見交換 シェルター、国がガイドライン
石垣市は1日、特定臨時避難施設(シェルター)を地下駐車場として整備する際の技術ガイドラインが国から追加で示されたことを受け、具体的な整備の検討に入ると表明した。整備場所は市役所隣で建設する防災公園の地下。国民保護計画に関し、市民との初の意見交換会を8月上旬に開き、シェルターの在り方についても考えを聞く。今年度中に設計作業に入り、来年度着工、2026年完成のスケジュールで整備を進める。 知念永一郎副市長は1日、市役所で記者会見し、防災公園で地下駐車場として整備するシェルターについて「災害時や有事の避難、イベントスペースにも活用できる多目的な駐車場建設を検討している」と説明した。 国は台湾に近い先島諸島を念頭に、3月、一般的なシェルターを整備する際の技術ガイドラインを公表。シェルターを地下駐車場として整備する石垣市などの意向を踏まえ、6月28日には、技術ガイドラインに車の出入り口や収容スペースなどに関する「地下駐車場版」の基準を追加した。 市は8月には、市民向けに複数回の意見交換会を開く。市民の声を参考にシェルターの規模を確定させ、基本設計や実施設計に反映させる。 予算規模は設計作業の中で確定する見通し。シェルター整備に対しては政府が財政支援する方針を示しているため、市にとって財政的に有利な条件で事業が進むとみられる。 意見交換会ではシェルター以外にも国民保護計画全般に関する説明が行われる。市防災危機管理課は「避難者の航空輸送、船舶輸送などは、まだ細かいところまで詰め切れていない。現時点での進ちょく状況や課題を市民に伝えたい」としている。国、県の担当者にも同席を要請している。 市は防災公園の地下以外にも、老朽化した消防本部庁舎の建て替え、市街地の西部エリアをカバーする消防西出張所の建設の際に、消防職員らが避難できる地下施設の併設を検討する。 先島諸島は台湾に近く、中国が台湾に侵攻する台湾有事が勃発すれば、巻き込まれる可能性が高い。シェルターは、住民が武力攻撃から身を守るため避難する施設となる。