【ラジオNIKKEI賞・レース回顧】オフトレイルVに見たゴドルフィンの確かな〝戦略〟 全滅上位人気3頭の敗因は?
[GⅢラジオNIKKEI賞=2024年6月30日(日曜)3歳、福島競馬場・芝1800メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】 渡辺 混戦のイメージだったが、勝ち時計1分45秒3はコースレコードタイ。 柏木 レースレコードも更新しましたし、近年ではダントツの走破時計。まさに時計勝負という決着でした。 渡辺 にしても勝ったオフトレイルの末脚には驚いたな。前半5ハロン58秒4のハイペースがハマったのもあるにせよ、最後はキレッキレだった。 柏木 私も驚きました。事前に血統を調べていたんですが、父のファーはヨーロッパの中ではスピードタイプの種牡馬。母もスピードに優れた豪州の系統ですから、軽い馬場が向いたんじゃないでしょうか。 渡辺 なるほど。 柏木 ここ最近のゴドルフィングループは日本の芝に対応できる馬を送り込んでいる印象がありますね。 渡辺 今回はプラス10キロと見るからに成長していたし展開に恵まれただけではなさそうだ。 柏木 田辺騎手も特にこのコースを熟知するジョッキー。その鞍上を確保したゴドルフィンもさすがだなと感じました。 渡辺 2着シリウスコルトは負けてしまったけど、勝ち切って不思議ない内容。負けて悔いなしといったところだろう。 柏木 スピード有利の中、流れを考えて上手に競馬をしていました。勝ち馬を褒めるしかないでしょう。 渡辺 こちらはGⅠで戦ってきた経験が糧になって、それが存分に発揮されたな。勝った馬もそうだが、2頭ともハンデは56キロとしっかり背負わされていたし、評価通りの好走と言っていいんじゃないか。 柏木 3着ヤマニンアドホック、4着メイショウヨゾラはどちらも自分の競馬はできたと捉えて良さそうですね。 渡辺 そうだな。ヤマニンはレースセンスの良さを見せたし、メイショウに関しては今回のタイレコードを生み出した立役者。陰の功労者と言ってもいいだろう。 柏木 一方で上位人気に推された馬たちはみな着外。これについてはどうみますか? 渡辺 ショーマンフリート、サトノシュトラーセは道中で位置を上げていったが直線はジリ脚に。現状、今日のような高速馬場では瞬発力不足と判断していいかな。オレの◎ウインマクシマムに関しては控える競馬を選択したワケだが、あれじゃ良さは半減してしまう。やはりある程度行かないと持ち味が生きない。 柏木 平均ペース向きで時計勝負は歓迎じゃない印象も。ただ、まだ成長途上だし、今回の経験で変わってくるのでは。 渡辺 人気馬は凡走したが、時計を含めてレベルの高い一戦だったのは間違いないな。 柏木 そもそも福島コースを経験していた馬が2頭のみ。分からない部分が多い中でのハンデ戦でしたから、人気馬の敗戦も無理はないでしょう。それでも渡辺さんが仰る通り、時計も優秀ですから上位馬はしっかり評価すべきでしょう。
東スポ競馬編集部