数億年前から!変わらない姿の「生きた化石」5選、でも今では絶滅危惧の種も…
2. ムカシトカゲ
ニュージーランド沖に点在する島々の固有種であるムカシトカゲは、かつてゴンドワナ大陸に生息していた。頭頂部に「第三の目」(頭頂眼)があり、上顎の歯が2列あるという、風変わりな姿をしている。ムカシトカゲはトカゲ(有鱗目トカゲ亜目)に似ているがトカゲではなく、ムカシトカゲ目という古いグループの最後の生き残りだ。 ムカシトカゲ目の系統は少なくとも2億3000万年前までさかのぼることができる。初期のムカシトカゲ目については、最近まで顎や歯などの断片的な化石しか見つかっていなかったが、2022年にナバホスフェノドン・サニ(Navajosphenodon Sani)という非常に古い祖先のほぼ完全な化石が発見され、今日のムカシトカゲの起源について新たな情報が得られると期待されている。 N.サニの化石はほぼ完全な骨格と顎の構造を備えていて、現代のムカシトカゲの身体的な特徴が1億9000万年前とほとんど変わっていないことがわかる。
3. オウムガイ
深い海の闇に漂うオウムガイは、壁で内部が仕切られた殻とピンホールカメラのような目を特徴とする神話的な海洋軟体動物だ。 オウムガイの化石は5億年前のカンブリア紀後期の地層から見つかっている。彼らは化学物質を手がかりに、主食である魚や甲殻類を探知している。また、殻の内部のガスが入った部屋を貫く「連室細管」という管があり、それを通して液体を運んで浮力を制御している。 「オウムガイは酸素がほとんどなくても生きていけます。食べるものがなくても何週間も生きられます。殻は非常に頑丈で、殻を壊してオウムガイを殺すのは困難です。彼らは鎧(よろい)を着た深海の怪物なのです」と米ワシントン大学の古生物学者であるピーター・ウォード氏は言う。 過酷な環境を5億年も生き抜いてきたオウムガイの美しい貝殻は今、コーヒーテーブルに飾られたり、個人のコレクションにおさめられたり、宝石店で販売されたりしている。フィリピンでは、いくつかの生息域で減少が確認されている。 オウムガイは2018年に米国の絶滅危惧種法(ESA)で「準絶滅危惧(threatened)」種に指定された。