首里石鹸、「沖縄の思い出」訴求でファン拡大 アプリの「占い」もリピートに効果
沖縄発祥のスキンケアブランドを展開する首里石鹸は、実店舗が出会いの場に、オンラインが再会の場になるような取り組みで、根強いファンを獲得している。 【画像】色鮮やかな「首里石鹸」が人気 <沖縄を彷彿とさせるブログが人気> 現在、沖縄県内に17店舗、県外に10店舗を展開している。直近では今年7月に東京・町田市に直営店をオープンした。 沖縄を中心に店舗を展開しているため、旅行に来たときにブランドを知る人が多い。ブランドのイメージと沖縄での思い出が、印象として強く結びついているユーザーも少なくない。再会の場となるオンラインでは、沖縄を彷彿とさせる施策で、ブランドを思い出してもらえるよう工夫している。 ECサイトでは、商品ページとは別に、ブログのコーナーを設けている。商品を紹介するブログのほか、直接的に商品を紹介しない読みものも投稿している。 例えば、商品に使われている香りをスタッフが幼少時代の思い出とともにつづったエッセーや、商品に配合している原料の生産の現場を伝えるコラムなどが人気だ。 <アプリ刷新で占い機能を追加、日々のログインを促進> サイトへの流入は、主に公式アプリと、インスタグラムの公式アカウントとだという。 去年リニューアルした公式アプリでは、月間ユニークユーザーが10万人を突破し、毎月約75万PVを獲得している。ダウンロード数も右肩上がりで好調だ。 日常的にログインしてもらう工夫として、星座占いのコーナーを設けたという。 「うちの星座占いはあえてランキングにしていない。どの星座にも寄り添う占いだ」(首里石鹸ブランディング部 部長 カワイ顕太シェルダン氏)と話す。 インスタグラムは店舗ごとにアカウントを作るのではなく、ブランドで一つのアカウントに統一している。フォロワー数は13万8000人。沖縄本社のスタッフが中心となって運営しており、1日1回は沖縄の様子を発信している。 「現地のリアルタイムの温度感を伝えたい。来店したお客さまには必ずインスタの紹介をして、今後のつながりを作っている」(同)と話す。 <さらにファンの輪を広げる> 新たに店舗をオープンする様子をインスタライブで配信しているため、配信をきっかけに新しい店舗に来るユーザーも少なくない。 「お客さんとスタッフのつながりも強い。『宮古島でお会いしたスタッフと、名古屋の店舗で再会できて感動した』という声をいただいたこともある」(同)という。 年明けには海外のユーザー向けに越境ECサイトを開設し、さらに輪を広げていく方針だ。 「海外の方がまた買いたいとDMやメールをくれることがとても多い。国内のユーザーだと会員登録でお得になるシステムがあるが、現状では海外向けのサイトがないので、海外のユーザーには適用できていない。今後は国内のお客さまと同様に、オンラインショップで買い物してほしい」(同)と話した。
「日本ネット経済新聞」記者 渋井紅奈