コメ品薄、スーパーに新米並べてもすぐに売り切れ 子どもの弁当用確保、大人はオートミールや玄米で「もうしばらく辛抱」
広島市内のスーパーでコメの品薄が続いている。出回り始めた新米はすぐ売り切れ、陳列棚にもち米や玄米しか残っていないことも。流通業者などによると、地震や台風を受けた買いだめが品薄に拍車をかけているという。買い物客は複数の店を回ったり、他の食材で補ったりしてやりくりしている。 【写真】コメの在庫量が例年より少ないカツヤの一時保管所 「現在入荷が不安定のため、品切れの際はご迷惑をおかけいたします」「お1人様2点限り」。市内のスーパーのコメ売り場では4日も、品薄を告げる張り紙が目立った。入荷したコメを並べても短時間で完売し、仕事帰りの客が来店する夕方や夜には棚にコメがない店もあった。 中区のスーパーを訪れた主婦(52)は「焼きそばなど麺類で我慢している」。佐伯区の会社員男性(49)は今月に入り、コメを置いている店を探し回り、「7店目の西区のスーパーでやっと見つけた」と話す。 コメ市況調査会社の米穀データバンク(東京)によると、昨年度産の収穫量が猛暑で少なかった上、ことし8月には南海トラフ地震臨時情報や台風10号の接近で備蓄のニーズが急増。全国的に品薄になった。広島市内のスーパーの担当者は「地震の後は一度に5袋買う人もいた」と明かす。 別のスーパーの仕入れ担当者は「通常なら週1、2回は入荷するが今は不定期で、入荷がない週もある」と嘆く。在庫問い合わせの電話も多く受けるが「いつ入りますと確約できない状態だ」という。 安定的な入荷が見込めるとして、新たな仕入れ先を開拓した店も。中区のあるスーパーは、広島県東広島市の農家が持ち込む産直米のコーナーを新設した。3日は、新米が5キロで3758円と高めの価格設定だったが、買い求める客が相次いだ。 西区の会社員福島恵さん(48)は「長男の弁当用のコメを確保できた」とほっとした様子。「次にいつ買えるか不安なので私たちはオートミールや玄米でしのぐつもり。もうしばらくの辛抱ですよね」と正常化を願った。 JA全農ひろしま米穀総合課(東広島市)によると、県全域で新米の収穫が進んでおり、「今月中旬には、店頭に並ぶ量が増える見通し」としている。
中国新聞社