＜センバツ２０２１＞ 　２９日にあった第９３回選抜高校野球大会の選考委員会で、敦賀気比（敦賀市）の５年ぶり８回目の出場が決まり、同校は歓喜に包まれた。昨秋の北信越大会の覇者として臨むセンバツ。選手たちは、北陸勢初の優勝となった２０１５年以来、２度目の全国制覇を目指す。組み合わせ抽選会は２月２３日にあり、大会は３月１９日、阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で開幕する。【大原翔、大島秀利】 　◇マスク姿で喜び 　吉報が届いたのは午後４時ごろ。多くの報道陣が見守る中、同校の会議室の電話が鳴った。選考委員会からの連絡を今か今かと待ちわびていた古谷清和校長は受話器を取り「ありがたくお受けいたします」と応じた。その後、古谷校長は野球部グラウンド脇の室内練習場へ。雪が降り積もる中、「春」を待つ選手たちに「出場おめでとう。君たちの先輩が甲子園に出場できなかった分を大会にぶつけてほしい。がんばりましょう」と出場決定を伝えた。主将の大島正樹中堅手（２年）は「甲子園で精いっぱい力を発揮し、日本一を取りたいと思います」と力強く語った。新型コロナウイルスの影響でマスク姿の選手たちは、静かに喜びを表現した。 　前川誠太遊撃手（２年）は昨夏の県独自大会でもスタメン入りし、新チームでは打線の主軸を担う。「甲子園本番まで時間が限られているので、チームとして団結できるように練習を重ねたい」と冷静に前を見据えた。 　優勝した北信越大会では苦戦を強いられた。準々決勝と準決勝では終盤に追いつき、延長戦を制した。東哲平監督は「（新型コロナの影響で）なかなか試合がこなせない中、北信越大会で優勝することができたので、力はこれからついてくると思う。出場するからには一番を目指して、一戦一戦臨みたい」と力を込めた。 　選手の保護者も集まり、出場決定を喜んだ。毎日新聞の特別号外が同校で配られ、関係者が見入っていた。