パチンコ店の“大量閉店ラッシュ”が止まらないワケ。ホール関係者が語る「絶望的な未来」
儲けているのに止まらない閉店ラッシュ
パチンコの利益率が2倍近くになっているのならホールは潤っているハズ。それなのに、なぜ閉店ラッシュが止まらないのだろう。 「パチンコの利益が上がっていても、それ以上に機械代が上がっているんですよ。昔は一台20万円くらいだったのが今は60万円ですよ。甘デジのリユースだって、昔は10万円だったのが30万円。利益が2倍になったとはいえ機械代が3倍になっているから、そりゃ資金力のないホールは閉店しますよ」 仕入れるモノの値段が上がったら販売価格も上がるのが商売の基本。だが、パチンコ店ではこれが通用しないのである。 「パチンコ店は機械代が上がったからといって貸玉料金を上げることができません。上限は4円と法律で決まっているので。時代と共にモノの値段は上下するのに、パチンコの貸玉料金は46年前から一切変わっていない。これもおかしな話じゃないですか。本当に今の時代に合っているのか疑問に思う時もあります」
初心者にはハードルが高すぎる遊び
業界全体が活気を取り戻すには、新規ファンの獲得が必要不可欠。だが、昔と違い今のパチンコは初心者が手軽に始められる遊びではなくなっているとA氏は言う。 「今のパチンコは、初心者が始めやすい入門機的な機種がないですよね。自分がパチンコを始めた時代は、羽根モノがメインで500円、1000円で十分遊べました。そこからハマっていってデジパチ、権利モノ、一発台を打つ立派なヘビーユーザーへと成長したわけですが(笑)、今は最低でも3万円くらいは持って行かないと遊べない。初心者にとって『3万円の遊び』って相当ハードルが高くないですか? きっと、ホテルに泊まってご飯を食べるのと同じくらいの感覚じゃないですかね」
インフレが進めば手軽な遊びになる!?
時代と共にじわじわと射幸性が高まっていき、過去最高峰のギャンブル性に達しているともいわれるパチンコ。遊びやすい1パチという営業形態もあるが、機種自体は4パチと同じなのでレートの違いはあれど、どちらも荒い勝負をしているのは変わらない。 「ここまで射幸性が高い機種や営業形態が当たり前になってしまったら、ホールもお客さんも昔のパチンコには戻れないですよね。だから、もうインフレがもっと進むことを願うしかないです(笑)。貸玉が4円で変わらない以上、世の中がデフレになれば高級な遊びになるし、インフレなら手軽な遊びになる。インフレが今の4倍くらいになったら、さすがに1パチを打つ人はいなくなるんじゃないですか」