若きクリムゾンレッドを束ねるディフェンスリーダー。ヴィッセル神戸U-18・山田海斗は今度こそ「3度目の正直」を手繰り寄せる 【NEXT TEENS FILE.】
ここまでのプレミアリーグでは、全10試合にスタメンフル出場。今季の主将に指名されている江口拓真が長期の負傷離脱を強いられているため、一貫してキャプテンマークを託されているが、以前より積極的に声を出し、チームを牽引する意欲も十分。その立ち姿には以前にも増してリーダー感が漂っている。
意識しているのは継続の重要性だ。「安部さん(安部雄大監督)の姿勢はずっと同じで、『去年からやってきたことを意識する中で、自分の長所を生かせ』とは言われているので、そういう意味ではほとんどの選手が長所を出せていると思います」。昨季から出場している選手が多い中で、もちろん改善する部分は改善しつつ、良かった部分も微調整しつつ、やり続けていくことの大事さはシーズンを戦っていく中で、より実感しているという。
さらに個人としては、既にトップチームの公式戦の雰囲気も味わっている。今年の4月17日。U-18所属の岡奨瑛と山田は、FC今治とアウェイで戦ったYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦のメンバーに招集。試合出場は叶わなかったものの、ベンチやアップエリアで感じたことが、多くの学びをもたらしてくれたことは間違いない。
「正直試合には出たかったですけど、プロの雰囲気はなかなか経験できないもので、いつもは試合に出ている選手が常に声を出して、ベンチから盛り上げていく“チーム感”は凄くいいなと思いましたし、勝つために自分もベンチから盛り上げられたのは凄く良い経験になったと思います」
ここでも山田に気付きを与えてくれたのは、アカデミーの先輩だったそうだ。「先制された時にはちょっと静かになったんですけど、そこから大きい声を出して盛り上げていた(佐々木)大樹くんが途中から出て、結局決勝点のPKも決めたので、『常にチームのために動いていたら、そういうチャンスも来るのかな』と思いました」
実は試合に出られそうな雰囲気も、少しだけあったという。「本多(勇喜)選手がちょっと足を痛めていたので、ずっと『あるぞ』とは言われていて、試合が延長まで行ったので、『余計あるぞ』と言われたんですけど、本多選手が最後の方まで粘り強くプレーしていたので、自分は出られなかったですね」。次こそは届きそうで届かなかった“ラインの向こう側”に足を踏み入れるべく、さらなる成長を追い求めていく。
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