「なぜ言わない」総裁選候補が「北朝鮮拉致問題」に触れず憤怒の嵐、河野氏の「一方的に言えない」発言には「家族の前で言ってみろ」
東京都足立区の商業施設で「横田滋写真展 めぐみちゃんと家族のメッセージ」と題された写真展が、9月8日まで開催されている。北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの父・滋さんが生前に撮影しためぐみさんと家族の写真や、思い出の品々が公開されている。 9月5日午前、母・早紀江さんが会場を訪れ、報道陣の取材に応じた。 「そこで自民党総裁選の話題になり、早紀江さんは候補者が誰も拉致問題について言及していないことに『非常に残念です。日本のためにも解決しないと、と言ってくれる人がいてもいい。信念、心意気というものが昔と違っているのかもしれません』と落胆、さらに『もう絶望的な感じがします』とまで語りました」(社会部記者) じつは総裁選に出馬している小林鷹之前経済安保相と河野太郎デジタル相は、立候補表明後に拉致問題に言及している。 小林氏は、4日に出演したインターネット番組で「(拉致問題の解決は)国家として最重要課題」としながらも「日本だけで解決できるかというと、非常に難しい」と語り、米国などとの連携が重要としている。 また河野氏は、早紀江さんが写真展を訪れた同日に政策会見で「ご家族がさまざまな思いを抱かれているのはよく分かっているが、それを一方的に言ったからといって向こうが(対話に)出てくるわけではない。一歩一歩議論を進めていくことが大事だ」と語っていた。 さらに小泉進次郎元環境相は、6日の立候補会見で「同年代のトップ同士、胸襟を開いて直接向き合う」と、金正恩総書記との会談に意欲を示した。 しかし目下、金融所得課税強化、政策活動費廃止、全納税者への確定申告などの議論が沸騰していることもあり、拉致問題についての各候補の主張はあまり報じられていない。 なぜ政治家は拉致問題の解決に踏み込まなくなったのか。長く拉致問題を取材してきたジャーナリストの高世仁氏に聞いた。 「歴代政権は必ず『私の政権で解決すべく』と言いますが、結果が出ていません。『本当にやる気があるのか』と思ってしまうほどです。そして最初に大きなアドバルーン(目標)をあげてしまうと、それが実現できなければ批判され、ひいては責任論に及ぶことを恐れているのです。だから最低限のことしか言わないのです」 さらに、国民の関心低下も関係しているという。だが、写真展での早紀江さんの言葉が報道されると、Xは過熱。批判が噴き上がった。 《候補者らが口に出さないと言うことは考えてもいない 何とも思っていないから》 《本当に誰も言わない。なぜ言わない》 《総裁選に立候補する人たちは、自分の息子や娘が拉致されたと思って奪回の具体策を述べるべきだ》 《石破、河野、上川、小林、林、小泉…。呆れる程、拉致被疑者とご家族、拉致の危険にさらされている日本国民に全く興味がない》 さらに、河野氏のコメントについては《それを拉致被害者家族の前で言ってみろ》《河野氏は、ご自分の息子さんが拉致されても「対話」で解決しようとするのだろうか?》などと厳しい指摘が。 47年間も祖国の土を踏めていないめぐみさんをはじめ、拉致被害者全員の早期帰国を実現させるための議論が期待されている。