G7、ロシア凍結資産活用したウクライナ支援策を今週発表-米政府
(ブルームバーグ): 主要7カ国(G7)の首脳は今週、ロシアの凍結資産を活用して新たにウクライナを支援する計画を発表する。ホワイトハウスが11日、明らかにした。
この動きはG7首脳がウクライナへの約500億ドル(約7兆8600億円)融資の発表で大筋合意に達したことを示す。同計画ではロシアの凍結資産の運用収益を融資返済に充てる。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に、「われわれはウクライナを財政支援し、その復興に役立つよう、凍結されたロシア国家資産の価値を活用する新たな措置を発表するつもりだ」と述べた。
詳細については言及を避けたものの、カービー氏は「G7ではウクライナの復興支援に凍結資産を活用する取り組みについて全会一致で合意するだろう」と語った。今週イタリアで開催されるG7首脳会議(サミット)にはウクライナのゼレンスキー大統領が参加し、同国への強力な支援が発表される見通し。
カービー氏によると、ゼレンスキー大統領とバイデン米大統領は13日に会談し、共同記者会見を開く予定。
欧州で凍結されたロシア資産の運用収益は金利などの要因によって変動するものの、年30億-50億ユーロ(約5100億-8400億円)と推定されると、米高官が匿名で明らかにした。この金融支援はウクライナを中期的に支える見通し。
ただ、融資を返済できるかどうかはロシア資産の凍結が十分長く続くかどうかにかかっている。欧州連合(EU)の制度上、資産凍結の決定は半年ごとに更新する必要があるため、返済計画に疑問が生じている。
米高官によると、米国は議会の承認を必要としない形で合意がまとまることを期待している。この資金は年内に利用できる可能性があるという。
原題:G-7 to Announce ‘New Steps’ on Frozen Russian Assets, US Says(抜粋)
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Josh Wingrove, Viktoria Dendrinou