老いることに、恐怖心はないーーとことんポジティブ、蛯原友里が愛され続ける理由
モテは体育会のノリで身につけた
エビちゃんOLのヒットには、「モテる」ことを堂々と肯定した『CanCam』の戦略があった。象徴的な存在となったエビちゃんだが、“モテ”のテクニックも体育会系で会得したと話す。 「当時『CanCam』は有名な男性編集長で、『モテ系でいくぞ!』って、ものすごく勢いがありました。私は少年みたいに育ってきて、そもそもまったくモテ系じゃなかったところへ、初めての全国版雑誌で、いきなりの『モテ』指令。とことん鍛えられましたね。ポジフィルムをバーッと見せられて、『どれがモテかわかる? これだよ、これ!』とか。もう、気合だ、気合だーっていう感じで、私も『ハイ、わかりましたーっ!』って(笑)」 当時を振り返り、「まるで部活のようだった」と笑う。どれだけ知名度が上がっても、編集者、カメラマン、ライター、スタイリスト、ヘアメイクらチームの雰囲気は変わらず、一丸となって雑誌づくりに取り組んだ。 「いい意味で、しごかれていたと思う。私だけじゃなくて、当時のモデルたちはみんなそうだと思います。全然甘やかしてくれないし、調子に乗らせてもらえなかったな(笑)」
かわいいモテ系からコンサバカジュアル系を経て、大人の女性に向けた雑誌のモデルへ。流れにあらがうことなく、いつの時代も、どの雑誌でも、仕事を心から楽しんできた。 「老いることに、恐怖心はないですね。シワが増えることも、かっこいいと思う。深みが出るというか、人間味がありますよね。私は基本的に、人間の体は自分で変えていけると思ってるんですよ。全身は筋肉でつながっていますから、気になるところは鍛えて、キュッと上げながら、年齢を重ねていきたい。心も体も、鍛えることで、老化しづらくなるんじゃないかな」
夫がどんどん好きになる
いま一番幸せを感じるときは?と尋ねると、迷いなくこう答えた。 「息子と過ごしているとき! 『ママ』って呼ばれた瞬間とか、無防備に寝ている姿を見たりすると、『はぁ~かわいい~』ってなります。息子は最高に優しい子。絵を描くのが大好きで、お手製の絵本をつくって読んでくれたりするんですよ」 子どもに恵まれてからは、夫婦の絆もいちだんと強くなったと感じている。夫(ILMARI/ミュージシャン)についても、手放しで絶賛する。 「本当にできたパパなんですよ。何でも親身になって話をしてくれるし、子どもの教育について真剣に調べてくれたり、頼りになる存在です。『一緒に子育てを楽しんでいる』という気持ちになれる相手。ますます見る目が変わっていって、私、彼のことがどんどん好きになってるんです。ああ、この人と結婚して、本当によかったなって思います」