女の霊が出るというマンション。そこで酒を飲むと… 清野とおる氏が描く、斬新すぎるホラーグルメマンガ【書評】
「オバケモノ」と遭遇した路地で「鬼ごろし」を味わうなど、清野さんならではのこだわりと敬愛を込めたお酒のチョイスも楽しみのひとつである。選んだお酒や焼き鳥の美味しさもたっぷり語られていており、グルメ漫画としても楽しむことができる。 また本編に入りきらなかった地理的な情報や歴史、情報提供者のプチ情報などが補われているコラムも必読である。
清野さんの旺盛な好奇心から生まれた「怪奇酒」。年齢を重ね刺激や新しい体験が減ってしまったとしても、普段の自分ではしないであろうことをあえて積極的に実行することで、新たな価値観を得られると教えてくれる。 読んでいるうちに自分の怪奇体験が思い起こされ、つい誰かに話をしたくなってしまう! 怪奇体験をつまみにお酒を吞みたくなる本作は、怖い話が好きだけどありがちなホラーマンガにはない刺激を求めている人におすすめしたい1冊だ。 文=ネゴト/ Ato Hiromi