洗練…走るコンシェルジュ メルセデス・ベンツ Eクラス CARストーリー
日本では絶滅危惧種ともいえるセダンも、世界でみると根強い人気を持つ。メルセデス・ベンツのEクラスは、これまでに1600万台を売り上げたベストセラー。常に次世代の先端技術が投入され、ベンチマークともいうべき存在感を放つ。ダッシュボードを包む巨大な液晶ディスプレーは、ドライバーのあらゆる要求に応えるコンシェルジュのような仕事ぶり。走りもより洗練され滑らかさが際立つ。メルセデスの旗艦6代目Eクラスに試乗した。 【写真】6代目となったメルセデスベンツの新型Eクラス。伝統を踏襲しつつモダンなデザインも採り入れる 今回お借りしたのは、エントリーグレードのE200アバンギャルド。2リッターのターボエンジンに、23馬力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドを採用する。204馬力で1・8トンのボディーを引っ張るには非力な気もするが、モーターのアシストを得た力強いスタートダッシュで不満は感じない。 サスペンションはドイツ車らしくしっかりした乗り心地。低速では柔らかく、スピードが上がると固くなっていく。市街地や山道でも、安定した走りが楽しめる。 Eクラスの真骨頂は贅(ぜい)を尽くしたインテリアだろう。お借りしたクルマには、オプションの「MBUXスーパースクリーン」が装着され華やかさが増す。ダッシュボードを包み込む液晶パネルは助手席だけで映画を見たりエアコンなどのコントロールが行える。 シートやトリムを包むナッパレザーは、タン色が美しい。ダイヤモンドステッチが施されたシートには、ヒーターはもちろん、マッサージ機能も組み込まれている。 ホテルのラウンジのような美しさだが、オプション扱いで別に費用が必要なものも多い。このクルマにはインテリア関連で、デジタルインテリアパッケージ(40万4000円)・アドバンスドパッケージ(59万円)・レザーエクスクルーシブパッケージ(85万7000円)がつく。 さらにエアロパーツやホイールなどのエクステリア関連のAMGラインパッケージ(50万4000円)、パノラミックスライディングルーフ(28万8000円)が装着され総額260万円を超える追加費用がかかる。クルマが1台買えるような価格になるのが悩ましいところ。 新色のボディカラー「ヴェルデシルバー」は、緑を基調とした色合いでEクラスによく似合う。クルマに近づくとドアノブが立ち上がりドライバーをお出迎え。柔らかなレザーシートが体をソフトに包み込む。