80歳フランス大女優、共演堺正章の和菓子差し入れ「喜んで食べてくれた」 風吹ジュンらが明かした撮影秘話
シンガポールを代表する世界的な映画監督エリック・クーが、『Spirit World』をひっさげて釜山国際映画祭(韓国・釜山市)を訪れた。堺正章などの出演者とスタッフは、11日の同映画祭の閉幕式に先立ち、同市海雲台区の「映画の殿堂」で、制作の背景を語った。(韓国・釜山日報配信記事) ■堺正章と共演するカトリーヌ・ドヌーブ【写真】 同日午前、同映画祭の閉幕作の記者会見に出席したエリック・クーは、映画祭との縁について語り始めた。監督は「私の初めての作品『ミーポック・マン』が釜山国際映画祭で上映された当時、息子は1歳。今年29歳になった彼が、今回の映画の脚本を担当した」と説明し、「この映画祭は私にとって特別な意味があり、閉幕作に『Spirit World』が選ばれて非常に光栄だ」と話した。 会見には監督をはじめ、脚本家で息子のエドワード・クー、撮影監督のアドリアン・タン、日本から堺正章、吹雪ジュン、プロデューサーの橘豊、釜山国際映画祭執行委員長職務代行のパク・ドシンが参加した。 監督は、シンガポール人として初めてカンヌ、ベルリン、ベニスの各映画祭に招待され、文化勲章を受章。1995年に『ミーポック・マン』でデビューし、『12 Storeys』(1997)、『Be With Me』(2005)、『My Magic』(2008)などの作品がカンヌ国際映画祭に招待された。最新作『Spirit World』は、フランスの大俳優カトリーヌ・ドヌーブが主演で、シンガポール、フランス、日本の制作陣が作品に加わった。 『Spirit World』は、世界的なシャンソン歌手クレア(カトリーヌ・ドヌーブ)と彼女の熱烈なファンであるユーゾー(堺正章)が、死後の世界をともに体験するストーリーだ。 エドワード・クーは記者会見で「コロナ禍で、人々が感じた閉鎖感と喪失感を映画にしてみたかった」と明かした。「家にいるしかなかった期間に、助けてほしい、脱出したいという気持ちになった。このような状況にインスピレーションを受けて脚本を書いた」とし、「死後の世界と生きている人について語りながら、生きるとは何か考えさせる作品」と紹介した。 主演のカトリーヌ・ドヌーブは日程などの理由で記者会見に参加できなかったが、釜山を訪れた他の俳優たちが、和やかだった撮影現場の雰囲気を語った。 堺正章は「さまざまな言語が飛び交う撮影現場は、コミュニケ―ションが難しいのではないかと心配した。でも、言語が違っても通じ合う死後の世界を描く作品の内容と同じように、言葉の壁は感じなかった」と振り返った。「私たちの心をそのまま伝えることができたと思う」と述べた。 風吹ジュンは「撮影の時に、和菓子を堺さんが差し入れてくれ、カトリーヌ・ドヌーブさんがとても喜んで食べてくれた。ほかの日本料理も紹介したかった。コミュニケーションの問題はまったくなかったし、楽しく撮影できた」と語った。 監督は「ファンと歌手が同じ日に亡くなり、死後の世界で会うということには、特別な意味がある。あの世のどこかに希望があるというメッセージを伝えたかった」として、「撮影監督はカトリーヌ・ドヌーブの過去の映画を全部調べて参考にした。このようにして作り出された美しいシーンを見る面白さもある」と強調した。 同映画祭閉幕式は11日午後6時から、映画の殿堂の野外舞台で開かれた。 釜山日報 タク・ギョンリュン記者 #エンタメQ
西日本新聞社