トランプ前大統領（Getty Images）

トランプ前大統領が創設したソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルを運営するトランプ・メディアの主要株主である投資会社ユナイテッド・アトランティック・ベンチャーズ（UAV）が、持ち株のほぼ全てにあたる750万株以上を売却したことが、9月26日の提出書類で明るみに出た。 米証券取引委員会（SEC）への提出書類によるとUAVは、3月時点でトランプ・メディアの発行株式の5.5％に相当する752万5000株を保有していたが、26日時点の持ち株は100株と記載されている。ブルームバーグは、同社の売却額が少なくとも8800万ドル（約127億円）だと報じている。 この書類の報告者であるUAV共同創業者のアンドリュー・リティンスキーは、「おまえはクビだ！」の決めぜりふで政界進出前のトランプを全米に知らしめたリアリティ番組『アプレンティス』の参加者だった。 トランプ・メディアの株価は26日に約1％下落して13.98ドルをつけており、過去6カ月で約76％下落している。同社の主要株主は、ロックアップ期間が終了した9月19日以降に持ち分を売却できるようになった。ロックアップ期間は、IPO（新規公開企業）を実施した企業の主要な株主が、上場直後に株を売却することを規制するために設けられている。 UAVは、リティンスキーともう一人の『アプレンティス』の元参加者であるウェス・モスが共同で立ち上げた投資会社で、CNBC によると2人は、2021年に当時のツイッターから追放されたトランプにトランプ・メディアの設立を提案し、トランプと共に同社を共同創業していた。 トランプ・メディアは、3月26日に特別買収目的会社（SPAC）のデジタル・ワールド・アクイジション・コープ（DWAC）との合併を経て上場していた。 リティンスキーとモスは、トランプ・メディアと訴訟合戦を繰り広げていた。2月のDWACとの合併前に、共同創業者の2人は同社を相手取る訴訟を起こし、会社が彼らの持ち分を希薄化しようとしていると主張した。その1カ月後に、トランプ・メディアは2人を相手取る訴訟を起こし、彼らのビジネス上の失敗を非難し、彼らが持ち分を受け取るべきではないと主張した。 トランプ自身は、トランプ・メディアの自身の持ち分を売却しないと述べている。ロックアップ期間が終了する1週間前に彼は記者団に対し、「私はこの会社が好きだ」と語っていた。 トランプ・メディアの時価総額は現状で28億ドル（約4070億円）となっている。3月に上場した別のソーシャルメディア企業のReddit（レディット）の時価総額は110億ドル（約1兆6000億円）に達している。