祖父のイラストを使ったバッグを持つ伊藤さん（東京都中央区）

　東京都在住の女性が、京都府福知山市出身で長く看板業をしていた祖父が描いたイラストを使用したトートバッグをSNS（交流サイト）を通じて販売し、人気を呼んでいる。祖父は40年前に亡くなったが、温かみのある昭和レトロなデザインが人気の理由のようだ。 【写真】看板屋だったおじいちゃんが手がけた多数のイラスト 　保育士の伊藤恵美さん=東京都練馬区。祖父の辻本勇さんは福知山で看板屋を立ち上げ、市内を中心に北近畿地方で、商店街や祭り、鉄道、観光地などの多くの看板を手掛けた。 　辻本さんは1984年に70歳で亡くなり、今年5月に親戚が福知山市内の実家を整理していたところ、多くのイラストが見つかった。伊藤さんはスーパーや祭りの看板で使われたイラストのトートバッグとポーチを業者に発注し、母親の誕生日にプレゼントした。 　トートバッグやこれまでの経緯をSNSに掲載すると「欲しい」という声が多く上がり、販売を始めた。バッグはこれまで100個以上販売。購入者からは「元気付けられた」「持ち始めてから良いことが起きた」などの声が寄せられている。Tシャツやカード入れなども作った。 　伊藤さんは「祖父のイラストが今につながり、多くの人が笑顔になったり、元気になってもらえたりすることがうれしい」と話す。