釣り上げた巨大なフグを手に、笑顔の坂本裕貴さん＝いずれも明石港

　兵庫県明石沖で２４日、フグ釣りをしていた遊漁船の乗客が、体長５３センチ、重さ約３キロの巨大なフグを釣り上げた。一報を受けて明石港に向かうと、漁師らが「見たこともない大きさ」と驚いていた。（赤松沙和） 【写真】釣り上げられた体長５３センチのシロサバフグ 　フグを釣ったのは、奈良市から釣りに訪れていた会社員の坂本裕貴さん（４２）。この日はフグを釣るため、朝から遊漁船「海蓮丸」に乗り込み明石沖へ。午前１０時ごろ、強い当たりを感じると、３０メートルほど釣り糸が引っ張られた。 　「あの手応えはフグじゃなかった」と振り返る坂本さん。船の上に釣り上げて初めて、フグだと分かった。 　その正体は、シロサバフグ。海蓮丸の戸田祐平社長らによると、シロサバフグの一般的な大きさは３０センチ前後、大きくても４５センチほどで、今回の大きさは「初めて見た」という。 　ただ、このフグは食べられないそうだ。シロサバフグ自体は無毒だが、猛毒を持つドクサバフグと見た目がよく似ていることから、海蓮丸では安全のため、釣り客に提供しないようにしている。 　今年からフグ釣りを始めたという坂本さんは「食べてみたかった」と残念そうにしつつも、「ほかの魚でもここまで大物はあまり釣ったことがなかったので、うれしい」と笑顔だった。