太陽光発電を小分けにして建設計画…「条例逃れ」と指摘された事業者、完全撤退で町と合意
長野県辰野町が同町小野の飯沼地区の太陽光発電施設計画について、町条例の対象にならないよう小分けに建設する「条例逃れ」だと指摘していた問題で、武居保男町長が27日に記者会見し、実質的な事業者が完全撤退を約束し、合意書を締結したと発表した。
締結は5月31日付。町が2020年に施行した条例は、発電出力30キロ・ワット以上(現在は10キロ・ワット以上)の事業については、町への申請や地元区の同意が必要などと規定した。同地区ではその後、約1・2ヘクタールのエリアで11区画の工事が進められたものの、各区画の出力は30キロ・ワット未満でも実質的には一体で、条例規制をかいくぐる脱法的なやり方だとして、町は顧問弁護士に相談。昨年5月には法的措置の検討も表明し業者に撤去を求めていたところ、業者が条例の趣旨を理解して撤退を決めたという。
記者会見に同席した顧問弁護士は「行政が前面に出て議会や住民と一緒になって法的手続きを取らずに撤退させたのは珍しいと思う」とし、武居町長は「今後も大型施設の話が来るかもしれないが、ルールに沿って手続きを進めてもらいたい」と述べた。