方針を押し付ける大人に “なんちゃって主体性” で応える子ども… 部活動から「スポーツハラスメント」をなくし真の主体性を引き出すには
「厳しさって、本当の厳しさって、皆さん、何ですかね?」 スポーツ界のハラスメント問題を長年取材するジャーナリストの島沢優子さん。先月、スポーツ指導を担う教員らを集め行われた「スポーツハラスメント防止研修会」に登壇した。 【写真を見る】方針を押し付ける大人に “なんちゃって主体性” で応える子ども… 部活動から「スポーツハラスメント」をなくし真の主体性を引き出すには ▽講演で島沢優子さん 「叱って “走れ、これをやるんだ、何しているんだ” と、ガッと一瞬強度を高く追及すると、子どもたちはスッと伸びる」「ですがそれは “一発学習” とか “恐怖学習” と言われ、プレッシャーを、恐怖を与えることで子どもたちがしょうがなくやるわけですよね。そこに主体性とか自立はない」 島沢さんは、大阪の桜宮高校で顧問からの体罰を苦にバスケット部員が自殺した事件(2012年)など、スポーツ界に蔓延するハラスメント問題を長年取材してきた。 ▽島沢優子さん 「2021年明けの1月に、コザ高校のお子さんが(部活動顧問の叱責を苦に)亡くなって、 “まだ届いていないんだ” と。ショックだったですね」 沖縄県立コザ高校の空手部員が顧問からの叱責を苦に自殺した問題を受け県が設置した、部活動改革推進委員会の委員も務める島沢さん。同じ委員の一人、沖縄大学の石原端子准教授のゼミ生(大学3、4年)とのディスカッションに臨んだ。参加するのは、亡くなった生徒と同世代の学生たちだ。 ▽男子学生 「コザ高校の自死のことを学んでいけばいくほど、楽しくやっていた部活でこうなるのは良くないと、めちゃくちゃ思います」 ▽別の男子学生 「自分はチームスポーツをやってきたけど、監督の押し付けというか自分がやりたいことをさせてもらえなかったというか… 監督の型にはめたチームプレーをやっていけという感じで、好きなことができなかった」 ▽島沢優子さん 「 “なんちゃって押し付けていませんよ大人” もいるんですよ、本当は押し付けているのに」 それでも子どもがそうした指導に応え、大人に合わせていく理由を、島沢さんはこう表現する。「なんちゃって主体性」。