「優勝しても名前が載るのは福原愛や石川佳純だった」元卓球選手・平野早矢香が語る「卓球3姉妹」と呼ばれた舞台裏
卓球ってチームを組むこともある一方で、試合で対戦することもしょっちゅう。一番過酷だなと思うのは、きょうダブルスでパートナー組んでいた人と、翌日はシングルスで対戦しなきゃいけない、なんてこともあること。他の競技ではあんまりないですよね。 だから、自分のいろんな部分、卓球のことも含めてすべて明かせる仲だったかっていうと、そうではなかった。そうなると「仲悪いんですか?」と言われるので困るんですが、普通にみんなでワイワイ話しもしますし、コミュニケーションもとります。
当時を振り返ると、とにかくオリンピックで絶対にメダル取りたい、そのために自分が全力を尽くすことは3人の共通認識でした。別に誰が誰に話さなくても、みんなその気持ちでやっていましたよ。
■引退後の選手の関係性は ── ご自身が引退されたあとの関係性はいかがでしたか? 平野さん:特に佳純は私にとってちょっと特別で。勝手に自分の夢というか、自分が達成できなかったことを託していたような部分がありました。だから「今、佳純しんどいかな」って思うときにはちょっと声をかけてみたり。技術面でも実績でも佳純の方が上ですので、少しでもストレス発散になればいいなという気持ちで…。
── たとえばご自身の経験からアドバイスされることもあったのでしょうか? 平野さん:ベテランになり勝てなくなると「卓球が古い」とか「時代は終わった」みたいな感覚でモノを言ってくる人がいるんですよ。もちろん実力社会なので、勝てなくなったらそう言われるのもわかります。だからと言ってその選手がそれまで築いてきた努力や功績の価値は変わらないですよね。そこに現役中は気づけず、苦しくなることも多いんです。私もそうでした。
だから佳純が同じような立場になったときに、どのような卓球人生を歩むにしても佳純の功績はなくならないと、悔いなくやりきってほしいと、そういった私の想いを話したことはありましたね。 ── 石川さんも2023年の5月に引退されましたが、お二人はプライベートでも仲がいいそうですね。 平野さん:この前、山口県で一緒に トークショーに出させてもらったんですが、もうめちゃくちゃ楽しかったです。前日に集合してからご飯食べ行って、温泉にも行って。それで次の日もまたトークショー始まる前からどっちかの部屋に集合してお喋りして。振り返ったら「ずーっと喋ってたね」みたいな(笑)。
【関連記事】
- 【画像あり】「感情を爆発させ石川佳純選手と喜び合う姿」からプライベートで一緒に仲よくご飯を食べる様子まで 卓球3姉妹のとっておき写真
- 【第3回】「私に何か問題があったのか」元卓球選手・平野早矢香「流産するなんて想像もしなかった」妊娠6週目の定期検診
- 【第4回】「里帰り出産はあえて選ばなかった」産後2か月で復帰した元卓球選手・平野早矢香 夫婦で話し合った子育てと仕事の両立
- 【第1回】「卓球の鬼」と呼ばれた平野早矢香 中学から寮生活で27歳まで部屋にテレビなし「今はラケットを握りたいと思う気持ちはまったくないです」
- ダルビッシュ有の母・郁代「一緒に死のうか…」少年院まで行った次男の翔が大阪で130回以上炊き出しをするまで「変化した理由」