ユーロ圏賃金、1-3月は伸び加速-ECBに警戒促す結果に
(ブルームバーグ): ユーロ圏の主要な賃金指標は今年1-3月(第1四半期)に伸びが加速した。インフレ減速を維持したい欧州中央銀行(ECB)当局者にとって警戒すべき結果となった。
ECBの23日発表によれば、労使交渉での妥結賃金は1-3月に前年同期比4.7%増と、前四半期の4.5%増から加速。過去最高を記録した昨年第3四半期に並んだ。エコノミストの大半は横ばいか減少を見込んでいた。
2週間後にはECB会合が控えており、市場では初回利下げが広く想定されている。物価上昇ペースは大幅に減速しているが、政策当局者はインフレ率が目標の2%へ戻るためには賃金、企業利益および生産性の相互作用にかかっていると述べる。
ここ数年の供給ショックが緩和し、残る懸念は主に人件費に大きく左右されるサービスセクターのインフレだ。ECBのエコノミストらはブログへの投稿で賃金の全般的なトレンドは緩和へ向かっていると指摘した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、デービッド・パウエル氏は「ユーロ圏の妥結賃金は今年1-3月にやや伸びが加速した。6月に想定されているECBの初回利下げが見送られる可能性は低いが、政策当局者らは今後の利下げにコミットすることには引き続き慎重になるだろう」と述べた。
原題:Euro-Zone Wage Growth Picks Up in Inflation Warning to ECB (2)
(抜粋)
--取材協力:Mark Schroers、Alice Gledhill.
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Alexander Weber