日銀、「量的引き締め」局面に 国債買い入れ減額、7月に具体的計画
日本銀行は14日の金融政策決定会合で、国債の買い入れ額を現在の月6兆円程度から減らすと決めた。次回7月30、31日の会合で具体的な計画を決め、減額を始める。11年に及んだ大規模な金融緩和で約580兆円に膨らんだ国債の保有残高も減らす「量的引き締め」の局面に入る。今年3月の利上げに続き、金融正常化がさらに進む。 【写真】日本銀行が国債買い入れを減らすと… 減額の方針は政策委員9人のうち、中村豊明審議委員(元日立製作所副社長)だけが「7月に経済物価情勢を改めて点検してから、決定すべきだ」とし、反対した。政策金利の追加利上げは見送り、銀行間で短期資金をやり取りする金利(無担保コール翌日物)を0~0・1%程度に誘導する。 減額計画は、市場参加者の意見を聞いた上で、次回会合で今後1~2年程度の減額幅やペースを決める。植田和男総裁は会合後の記者会見で、「市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していく」としたうえで、「減額は相応の規模になる」との見方を示した。
朝日新聞社