スペイン紙が「奇跡の1位通過」となったイエロ監督采配を強烈批判!
南アフリカ大会覇者であるスペインがグループBの1位通過を決めたが、冷や汗ものの突破だった。モロッコとの最終戦は、引き分け以上が最低条件、もし負けると、ポルトガル対イランの結果如何で、2大会連続のグループリーグ敗退の危機もあったが、前半13分にイニエスタの不用意なパスミスからボールを奪われて先に失点。その5分後に、イニエスタのアシストでイスコが同点ゴールを叩き込んだが、また後半36分にCKから勝ち越しされた。後のなくなったスペインは、アディショナルタイムに一度は、オフサイドと判定された同点ゴールをVARに救われて、なんとかドローに持ち込んだ。 だが、地元スペインのメディアは、大会2日前のロペテギ監督の解任を受けて、急遽、監督就任することになったイエロ監督の采配を批判した。「マルカ」は「イエロ監督は決断を下す必要がある」との見出しの記事を掲載した。 「モロッコとの試合をドローで終えグループ1位となったが、それは奇跡的だった。スペインにとってポジティブな面はある、しかし、格下で、すでにグループリーグ敗退の決まっているチームを相手にやっとドローなのだ。そこには多くのマイナス面が存在する。イエロは腹を決めるべきだ。選手交代、交代の時間…。ディフェンスには信頼性がなく、キーパーは自信がない、試合は深みに欠けた。監督は、ほとんどチームを動かさない。監督が変化するのは難しい世界であるが、それでも変えなければならないことがある。自己批判を始めてもらいたい。それは、イエロ監督、あなただ!」 同記事では、そのプレーに批判の集まっているイニエスタを先発させ、今回もスタメンをわずか一人しか変えなかった選手起用や、攻撃的選手の投入が遅れたことなどの采配を強烈に批判した。また失点の目立つディフェンスと、マンUでプレーしているGKのデ・ヘア不安定さを指摘した。 さらに「スペインのサッカーは遅く、多くのミスがあった。それらをイエロ監督は決勝トーナメントで改めねばならない。スペインは、75%ボールを支配していたにもかかわらず、ビッグゲームとはならなかった。多くのシュートチャンスがあり、落ち着いて戦えば勝てた試合だったはずだ」と厳しい論調。 それでも、グループを首位通過できたのは、「VAR、アスパス、イラン、クリスティアーノ・ロナウドのPK失敗などのお陰だ。大災害ギリギリのところで奇跡が救ってくれたのだ」と、皮肉をこめて説明。アディショナルタイムのアスパスの同点ゴールがVARに救われた点や、ポルトガル対イランで、C・ロナウドがPKを外したためドローに終わりスペインに1位が転がりこんできたことなどを奇跡と表現した。 采配に批判が集中したイエロ監督は、試合後のテレビインタビューには「我々は、自己批判をすることができる。多くを述べることはできないが、良いプレーも、悪いプレーもあった」と答えていた。 神戸と契約した34歳のイニエスタを決勝トーナメントでもスタメン起用した場合は、また批判が集まるのかもしれない。 その渦中のイニエスタは、「マルカ」の取材に対して、自身のプレーを振り返り「もっと改善することができる。私は、イエロ監督と同じ考えでいるし、見解はすべて同じだ。次の試合、相手チームの分析をするけれど、すべてが難しい。それがワールドカップなのだ」と語った。 問題視されている自身のパフォーマンスについて「私は、常に自分にとって非常に肯定的なビジョンを持っている。いつも(攻守の)バランスを取らねばならない。厳しい試合の流れ、時間がないときもあるが、ね。我々は、躍進できる。それが次の試合で不可欠なことだ」と、前向きに次の試合へ向けての抱負を口にした。 決勝トーナメントの初戦はグループA2位の地元ロシア。無敵艦隊スペインが正念場を迎える。