21世紀枠推薦校の鶴丸、2試合連続で接戦を制する!光った「声のベンチワーク」【24年夏・鹿児島大会】
<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:鶴丸3-1隼人工>12日◇2回戦◇平和リース球場 【トーナメント表】鹿児島大会 これまでの結果 鶴丸は3回表、一死から1番・向原 伸之介(2年)が左越え三塁打で出塁。2番・有馬 純希(3年)の中前適時打で先制した。 盗塁失敗で好機が潰えたかと思われたが3番・中村 仁(3年)が左越えソロ本塁打を放って2点目を挙げた。 6回表は二死二塁から8番・寺内 幸大主将(3年)が右越え適時二塁打を放った。 先発のエース・松下 侑聖(3年)、6回からは種子田 和諒(3年)がリリーフして、粘り強く失点を防いでいた。 隼人工は、8回以外毎回走者を出しながら得点が奪えず。9回裏、エラーと暴投で三塁まで進み、代打・下園 大和(2年)の内野ゴロで1点を返す。なお一死一塁と攻め続けたが、三振と盗塁失敗の併殺で幕切れとなった。 鶴丸は初戦の尚志館に続いて、接戦をものにした。 表のヒーローは3番・中村だ。尚志館戦では無安打。「狙ったボール以外打たないと決めていたら打てなかった。どんなボールでも積極的に打とうと切り替えた」。3回には2ボールからインハイの直球を強振。レフトポール際へのソロ本塁打となった。今大会7日間で本塁打は通算3本目だが、尚志館戦で上原将伍(3年)が放ったソロとこの日の中村、うち2本を鶴丸の打者が放った。 守備では3失策とミスが多かった中で、遊撃手・中村の好守が際立った。「グラウンドが荒れていたので『グローブを下から』を強く意識した」。9回裏、無死三塁の遊ゴロ。直前でバウンドが変わる難しい打球だったが、冷静に対処。本塁は目もくれず確実に一塁アウトをとった。 裏のヒーローは岩﨑 新太、照龍成利、満尾 泰知、藺牟田 健斗、ベンチにいた3年生4人だ。攻守にミスが度々あって、なかなか波に乗り切れない中で、声のベンチワークでチームを盛り上げ続けた。 「練習試合ではベンチワークがうまくできなかったので、大会では何かベンチでできることでチームを助けたかった」と岩﨑。3回、中村の本塁打で盛り上がったが、浮足立っているように見えたので「点取ったあとが大事だぞ!」と引き締めた。8回表は無死三塁の好機を拙攻で生かせなかったが「ミスした後をしっかり守ろう!」と声を掛けて盛り上げ、その裏の守備は唯一の三者凡退だった。 捕手の寺内主将は「距離が近いからよく声が聞こえた。ベンチの声で勇気づけられた」と言う。「試合に出ている9人だけじゃない。下級生も含めたベンチ20人全員で戦っている」と中村。8強入りをかけて対戦する相手は秋の準決勝で敗れたれいめい。「やることは変わらない」と寺内主将。全員野球で雪辱を期す。