キオクシア、IPO仮条件は1390-1520円-時価総額は最大8190億円に
(ブルームバーグ): キオクシアホールディングスの新規株式公開(IPO)で、仮条件は1株1390-1520円に決まった。2日に提出した訂正有価証券届出書で明らかにした。
想定売り出し価格は1株1390円だった。現在の株式市場の状況や最近のIPO銘柄の評価などを総合的に検討して決定した。仮条件を基にした試算によると、上場時の時価総額は最大で約8190億円。市場からの吸収金額は、需要に応じて追加で売り出すオーバーアロットメント分も含めると最大で約1260億円となる。
今年のIPOでは、10月に上場した東京地下鉄(東京メトロ)に続く大型案件となる。市場からの資金吸収額は同月に上場したリガク・ホールディングスとほぼ並ぶ水準となる。公開価格は9日に決定し、東京証券取引所プライム市場で18日に上場する予定。需要状況によっては1112円以上から1824円以下の範囲で発行価格を決定する可能性があるともした。
キオクシアの株主である米投資ファンドのベインキャピタルや東芝が保有株の一部を売り出す。ジョイント・グローバル・コーディネーターは米モルガン・スタンレー、野村証券、BofA証券が務め、国内のほか欧州や米国など海外でも売り出す予定。
キオクシアのIPOを巡っては、2020年10月の上場でいったん東証から承認を得ていたが、メモリー市況の悪化や新型コロナウイルス禍の影響で直前に延期を決定。今回も当初10月の上場を目指したが、半導体株が調整局面に入ったことで時期を見極めていた。
キオクシアは記憶媒体の半導体NAND型フラッシュメモリーを製造する東芝の主力部門だったが、18年にベイン主導の日米韓企業連合に2兆円で売却された。
--取材協力:エディ・ダン、古川有希.
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Yasutaka Tamura