愛媛大の専門家グループ 土砂崩れ前から亀裂があった松山城「緊急車両道」現状について説明
愛媛大学では土砂崩れの現場を調査した専門家グループが速報結果を報告しました。 愛媛大学理工学研究科 森伸一郎特定教授: 「地元の専門家としての責務として見たこと、見た写真を皆様に広く共有しなければならないと」 愛媛大学防災情報研究センター 岡村未対教授: 「地山の左側に盛り土をして、この幅を緊急車両が通れるように拡幅した道路なんですね。その拡幅部が崩落したことが分かる写真」
このうち岡村未対教授は、発災前から亀裂が入り復旧工事を行っていた山頂付近の「緊急車両道」の現状について説明しました。 岡村教授: 「ここの状況を見るとここのコーンの位置とこのコーンの位置がほぼ同じ位置です。崩落しているのはこの亀裂だったということ」 ただ、崩落が始まった場所が山頂部なのか中腹部なのかは現時点で不明で、今後より詳細な検討が必要ということです。 また専門家グループは、斜面には完全に崩れ落ちていない土砂も残っている可能性があるとして、今後台風などによる二次災害に備える必要があると指摘しています。
一方、緊急車両用道路について。松山市によると2018年の西日本豪雨発生後にも、長さ数メートルの亀裂を確認していたということです。市は「亀裂は軽微で土砂災害につながるものではない」と判断し、直後に亀裂の隙間を埋め補修をしていました。 この亀裂があった場所は、今年の大雨で大きくひび割れた場所とほぼ同じだったということです。 市は、この亀裂と土砂崩れとの関連は分からないとした上で、県や学識経験者を交えた技術検討委員会で原因究明を進めることにしています。